鳥飼総合法律事務所ホームページとの統合のお知らせ

平素より当ブログをご覧いただき,ありがとうございます。

この度,当事務所ホームページを改訂したことに伴い,今後,当ブログを当事務所ホームページに統合することとなりました。
本年2月7日より記事を配信しております。

今後更新される記事については,下記アドレスをご覧ください。また,当ブログをお気に入りなどに登録されている方は,ご変更をお願いいたします。

http://www.torikai.gr.jp/p-corporation

今後の記事には,法律や制度に関する内容に限らず,公益・一般法人に関するニュースを盛り込んでいく予定です。
これまでの記事については,当面の間,当ブログでの閲覧が可能です。

今後とも当事務所をよろしくお願いいたします。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その6 評議員の任期

 評議員の任期は,選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとされています(法人法174条1項本文)。
ただし,これにはいくつかの例外があり,また任期の終了後も評議員としての権利・義務を負う場合がありますので,見ていきましょう。

 まず,定款によって,任期を選任後六年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで伸長することができます(法人法174条1項但書)。

 一方,任期を短縮することは原則として認められませんが,補欠の評議員(法人法153条1項8号,FAQ問Ⅱ-1-②参照)を選任した場合,定款によって,任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期を退任した評議員の任期の満了する時までとすることができます(法人法174条2項)。

 また,評議員が3人未満になったとき,または定款で定めた評議員の員数が欠けた場合(175条1項,173条3項),任期の満了又は辞任により退任した評議員は,新たに選任された評議員が就任するまで,なお評議員としての権利義務を有することになります。

 このように,評議員の任期については,定款で延長が可能であるものの,自由に短縮することができません。また,前任者がいなくなったときの補欠の評議員と,後任者がいないために退任後の評議員がなお評議員としての権利義務を有する場合については,通常の評議員の任期と異なる規律がされていますので,注意が必要です。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その5 評議員の責任

評議員は社団法人における社員と同じように理事の選任・解任や法人に関する重要な意思決定を行うとはいうものの,拠出財産に法人格が付与されている財団においては社員とはことなり,法人と委任関係にあります(一般法人法172条1項)。したがって,評議員は法人の役員等というわけではありませんが,任務を怠ったときには,財団に対してこれによって生じた損害を賠償する責任を負います。このように評議員は制度上理事等と同様に任務懈怠に対して責任を問われるおそれがありますので,就任においては注意が必要です。

同責任は総評議員の同意で免除することは可能ですが(一般法人法198条,112条),評議員会決議による責任の一部免除および理事会による免除に関する定款の定めは許されておりません。これは,評議員は業務執行を担わないことから実際に賠償責任を負うケースは非常に少ないと考えられ,総評議員による責任免除に加え,これよりも軽い要件による免除の制度を認める必要がないと考えられたことによります。

また外部理事等とは異なり責任限定契約のような形であらかじめ責任を限定して就任していただくことも条文上予定されておりません。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その4 評議員会での説明義務の例外

1 原則

 評議員会においては,評議員の議決権行使の判断材料となる情報を確保するため,理事及び監事に,評議員から説明を求められた事項について説明する義務が課されています(法人法190条)。

2 例外
 しかしながら,現実には説明を求められても答えることが適切でない事項や,その場で答えることのできない事項もあります。
  そこで,この説明義務には,いくつかの例外が認められています。
 たとえば,説明を求められた事項が評議員会の目的である事項に関しないものである場合(法人法190条但書)や,当該事項の説明のために調査が必要となる場合(法人法施行規則59条1号本文)など,正当な理由がある場合 (法人法施行規則59条4号)には説明義務が免除されます。

3 例外の例外

 当該事項の説明のために調査が必要な場合であっても,評議員が評議員会より相当の期間前に説明を求める事項を法人に通知した場合や,必要な調査が著しく容易な場合には,説明が可能であるため,説明義務が免除されません(法人法施行規則59条1号イ,ロ)。

4 違反の効果

 説明義務に違反すると,決議の取消事由(法人法266条1項1号)になったり,役員が過料に処されたり(100万円以下。法人法342条11号)する場合があります。評議員から説明を求められた事項については,議決権行使に必要な程度の回答ができるよう準備するべきです。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その3 評議員の日常的な業務への関与 

1 評議員の本来の役割

 法人法上,評議員の役割としては,まずは評議員会の構成員として,役員の選解任(法人法177条,63条1項,176条)や定款変更(200条)といった法人の基本的事項の決定に参加することが挙げられます。
 また,各評議員の役割として,理事の行為の差止(法人法197条,88条),理事会による損害賠償責任免除についての異議(198条,114条4項),といったことも挙げられます。

2 日常的な業務の遂行への関与が認められるか

 ところで,評議員が上記の役割にとどまらず,日常的な業務の遂行に関与するようにすることは認められるでしょうか?
 この点,評議員は一般財団法人又はその子法人の理事,監事又は使用人を兼ねることができないとされています(173条2項)。
 したがって,評議員が理事や監事を兼任することはもちろん,「使用人」の立場で職務を遂行することも認められないことになります。
 では,法人と雇用関係にない評議員が「使用人」の立場に当たることはあるのでしょうか?
 法が評議員と役員や使用人の兼任を禁止した趣旨は,評議員が理事及び監事の選解任を通じて法人の業務を監督すべき立場にあるため,監督する者と監督される者の重複を避け,あるいは監督を行う者の独立性を確保して,十分な監督ができる体制を確保することにあると考えられます。
 そのため,法人と雇用契約を締結していなくとも,理事の指揮・命令下で業務を遂行する者は,広く「使用人」に該当すると解されます。
 そこで,このような立場から評議員が法人の日常的な業務の遂行に関与することは,法人法173条2項に反し,認められないと考えられます。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その2 評議員の選任方法

1.定款の必要的記載事項
評議員の選任の方法については、一般法人法には特段の規定が設けられておりません。どのような方法で評議員を選任するかは、公益または一般財団法人において任意に定款で定める必要があります(一般法人法153条1項8号)。

では、どうして定款で定める必要があるのでしょうか。
評議員は、公益ないし一般財団法人の運営が設立者の定めた目的に沿った適正なものとなっているかを監督する重要な立場にあります。従って評議員の選任の方法は、法人運営の基本となる重要な事項であって、設立者の意思に委ねること、すなわち定款において定めることが相当といえます。

2.理事ないし理事会から独立した選任
公益ないし一般財団法人の方で選任方法を任意に選べるとはいえ、理事又は理事会が評議員を選任することは禁止されています。このような方法を定款に定めたとしても法律的には無効です(一般法人法153条3項1号)。これは、被監督者が監督者を選任することとなってしまい、監督が不十分となってしまうおそれがあるからです。評議員の選任は、理事又は理事会から独立している必要があります。そのような趣旨からすれば後で述べます「評議員選定委員会」による選任の方法を選択した場合、同委員の選任においても、委員のすべてを理事又は理事会が特別の要件もなく自由に選任するといった定めを設けることは望ましくありません

3.選任の具体例
理事又は理事会による選任が許されないとした場合、評議員の選任の具体例としては、たとえば、①評議員会の決議による方法、②選任(及び解任)のための任意の機関を設ける方法、③外部の特定のものに委ねる方法などが考えられます。特に公益財団法人においては、内閣府公益認定等委員会は、より理事ないし理事会への監督が実効的に行われるよう(ガバナンスの観点から)、①においては理事の選任と同じように同じ評議員の関係者や同一の団体関係者が3分の1以内におさまるような選任を条件にすること、②においては法人の業務執行理事等から中立的な立場にある者が参加できるようにすることが望ましいとしており、このような方法以外の方法を定款で定めた場合にはその理由の説明を求めると明言しております(「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成するに際し特に留意すべき事項について」(平成20年10月10日))。これは公益財団法人にふさわしい方法として認定等委員会が例示した方法にすぎず、理事ないし理事会への監督(ガバナンス)が働くのであればこれ以外の方法が許されないという趣旨ではありません。また、一般財団法人においても、規模や法人の性質等に応じてその法人に合った理事または理事会への監督(ガバナンス)は要求されておりますので、実質的に理事ないし理事会の完全なる影響下において評議員が選任されてしまうような選任方法は望ましくないということとなります。

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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その1 評議員による理事の監督

先日(2011年9月16日)のブログで評議員の権限と選任について触れさせていただきましたが,今回は評議員による理事の監督について,旧民法下の「評議員」と比べつつ取り上げたいと思います。

1 位置づけ
ご存じの通り,一般財団法人においては,法定機関として,評議員会及びその構成員である評議員を設置しなければなりません(法人法170条1項,178条1項)。
旧民法の下でも,任意機関として,「評議員会」及びその構成員である「評議員」という機関が各財団法人におかれていました(公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針)。

2 旧民法下の「評議員」「評議員会」
旧民法下の「評議員」「評議員会」には,理事及び監事の選任機関及び法人の重要事項の諮問機関としての役割が期待されていたものの,法律上,評議員に理事の監督のために何ができるかの規定がありませんでした。
また,評議員は理事会において選任することとされ,評議員と理事の兼任が禁止されていない(行政指導の対象となるにとどまる)など,理事からの独立性も不十分でした。

3 法人法の下での評議員及び評議員会
法人法の下では,評議員会に人事権(177条,63条,176条)が,評議員に理事の行為の差止め請求(法人法197条,88条)や代表訴訟の提起(264条2項1号等)が認められるなど,監督権限が明文化されています。
また,評議員の選解任の方法(153条1項8号,3項1号)や報酬等の額(196条)は定款に定める必要があり,理事の自由にならない点や,評議員と理事の兼任が禁止されている(173条2項)点など,理事からの独立性が図られています。

4 監督権限の強化と責任の強化
このように,現行法の下で評議員には強い監督権限と独立した地位が認められた反面,評議員が適切に監督権限を行使しない場合,法人や第三者が評議員の責任を追及することも可能となりました(法人法198条,111条1項,117条1項)。

法人のガバナンスにおいて,これまで以上に評議員の役割が重要になったといえます。

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基本財産について

基本財産を定款に定めなければいけないと考えていらっしゃる方が少なくないようです。

基本財産とは、目的事業にとって不可欠な財産として定款で定める財産をいいます。新制度においては、基本財産を定めなければならないものではありません。基本財産を定めた場合、定款で定める方法により理事はこれを維持し、目的を妨げるような処分を行ってはならないとされています(法人法172条2項)。また、基本財産の滅失により法人の目的事業が不能となると、法人の解散原因となります(法人法202条1項3号)。

このように、基本財産は定めなければならないものではなく、定款に定めることにより、様々な制限もかかりますので、基本財産の要件と効果を見定めた上で、定款で基本財産を定める必要があります。基本財産を定めた場合、貸借対照表の資産の部において基本財産として計上します。

なお、新制度においては、社団の基本財産に関する規定はありません。現在の定款の定めは、移行後も引き続き効力を持つものと考えられます。この場合、貸借対照表には、資産の部の基本財産として計上します

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社員提案権

移行後の法人の社員・評議員は,一定の場合に社員総会・評議員会の議題の提案をすることができます。今回はこれらについて見ていきたいと思います。なお,ここでいう「一般社団法人」「一般財団法人」は公益法人も含むものとします。

1 理事会を設置していない一般社団法人
理事会を設置していない法人の社員は,各自,理事に対し,一定の事項を社員総会の目的(以下,「議題」といいます。)とすることを請求することができます(法人法43条1項)。
議題としては,例えば「理事選任の件」などが挙げられます。
議題に関する具体的提案が議案であり,例えば,「理事選任の件」という議題に対して「甲を理事に選任する件」などと内容を提案するのがこれに当たります。
理事会を設置していない一般社団法人では,議題提案の期間が限られていません。

2 理事会設置一般社団法人
理事会を設置している法人の社員は,総社員の議決権の30分の1以上の議決権を有する社員に限り,理事に対し,一定の事項を議題とすることを請求することができます(法人法43条2項前段)。
総社員の議決権の30分の1の議決権を有する社員とは,単独で30分の1以上の議決権を有する社員に限られません。複数の社員が共同で提案をする場合,合わせて30分の1になれば請求をすることができます。
例えば,60人の社員が1つずつ議決権を持っている法人で,各社員は,単独では総社員の60分の1の議決権しかないため議題の提案ができませんが,二人が共同提案すれば総社員の議決権の30分の1を有することになり,議題を提案することができるようになります。
なお,定款で30分の1を下回る割合を定めることもできます。
提案できる期間は原則として社員総会の日の6週間前までですが,定款の定めにより提案できる期間を延ばすことができます(法人法43条2項後段)。

3 一般財団法人
一般財団法人では,各評議員が,理事に対し,一定の事項を議題とすることを請求できます(法人法184条)。
提案できる期間は原則として評議員会の日の4週間前までですが,定款の定めにより提案できる期間を延ばすことができます。

4 違反の効果
議題の提案は社員の権利ですので,これを無視することは違法であり,100万円以下の過料が課されます(法人法342条10号)。

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法人であることの意味

このたびの公益法人改革を機に法人ではなく任意団体として存続することを選ばれた団体もあるやに聞いております。そこで今回は任意団体ではなく法人として存続するメリットはどこにあるのか検討してみたいと思います。

団体なり財産が法人格を取得するメリットは大きくいいまして2つございます。

1つは,法人格を取得すると法人の構成員とは切り離された法人名義での銀行口座の開設や不動産などの財産の登記等が可能になり対外的な権利義務関係を明確にすることができます。これはどういうことかといいますと,代表者や構成員の名義のままではこれらのものが死亡したり交替した場合にその都度名義の書き換えをする必要が生じてしまいますが,法人格を取得するとそのような煩雑な手続きがいらないということを意味しています。また,法人名義で財産を持てないということになりますと任意団体の固有財産と代表者や構成員の個人財産との区別が不明瞭になりやすくなってしまい,代表者や構成員間などで内紛が生じた場合に争いが深刻化しかねないという問題が生じてまいります。法人格を取得すればこのような紛争のリスクを未然に防止することが可能となります。

もう一つは,法人格を取得すると法人の存在が登記によって公示されることにより,代表者の資格の確認方法も明確になり,法人と取引関係に立つ第三者の保護を図ることができます。それが登記のない団体ですと,代表者の資格の確認方法が一義的でなく,相手方にとって団体との取引であるのか代表者個人との取引であるのか不分明となるおそれがあり,そのようなおそれは任意団体の経済活動を委縮させることにもつながりかねません。

このように法人格を取得すると,事務手続きの効率化や経済活動の円滑化が図れるというメリットを享受できます。

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平成23年9月の全国申請状況が発表されました

10月3日に公益インフォメーションのHPで平成23年9月末の全国申請状況が発表されました。

これによりますと、申請数が飛躍的に増加し、9月になって累積申請件数が5000件を超えました(5164件)。このうち、公益法人への認定申請件数の内訳は3337件、一般法人への認可申請件数の内訳が1685件です。

「公益認定等委員会だより(その7)」でも発表されているように、平成24年4月1日の登記を目標に今年後半の申請が伸びていると言えます。ただ、それでもまだ約7割の法人の申請が残っています。申請数が今まで以上に急増でもしない限り、申請は移行期限の平成25年に集中することになりそうです

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合併の手続きについて

いわゆる公益法人制度改革3法が施行される平成20年12月1日から移行期間の満了する平成25年11月30日までの5年間、特例社団法人と特例財団法人の合併が可能となっています。特例民法法人合併の制度の活用によって、単独では移行の認定や認可を受けることが困難な特例民法法人が、合併により財政的基盤などを整え、円滑に移行することが可能になります。

特例民法法人合併の手続の流れは、

 ①吸収合併契約の締結

 ②吸収合併契約書備置、

 ③社員総会(評議員会)特別決議による吸収合併契約の承認(整備法67条1項~3項)

 ④主務官庁への認可申請(整備法69条)

 ⑤主務官庁の認可

 ⑥財産目録等の作成、備置(整備法70条2項)

 ⑦債権者異議手続(整備法70条4項)

 ⑧吸収合併登記(整備法72条1項)

 ⑨合併前、合併後の旧主務官庁への届出(整備法72条2項)

となります。

②の合併契約書備置は、③の社員総会又は評議員会の2週間前に行う必要があります(法人法246条2項)。また、⑤の主務官庁による認可の通知から、2週間以内に、⑥の財産目録等の作成をしなければなりません(整備法70条2項)。⑦の債権者異議手続は、2箇月を下ることはできない、とされています(整備法70条4項ただし書)。さらに、⑦の債権者異議手続で行われる公告・催告の完了日から2週間以内に、⑧吸収合併の登記をし(法人法306条1項)、この登記をもって合併の効力が発生します(整備法72条1項)。

このように合併の方法、スケジューリング等については、条文が複雑に入り組んでいます。ただ、適格合併の要件を満たせば税金がかからない等のメリットもありますので、法律専門家を利用してみて下さい。

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退任登記と役員責任

今回は,理事が退任した後,退任の登記がなされなかったとき,登記簿上の「理事」である元理事が役員責任を負うかについて取り上げたいと思います。

法人法299条2項は,「故意または過失によって不実の事項を登記した者は,その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない」としています。
これは,法人が,故意に,あるいは過失によって,事実に反する事項を登記したとき,登記された事項が事実に反すると知らないで法人と取引関係等に入った人に対し,「その登記は間違いで,真実はこうだ」と主張できなくなることを意味します。

それでは,退任した理事について,退任していないかのような登記が残っているとき,その元理事は第三者に登記が間違っていることを主張できなくなるでしょうか?
この点,退任登記をすべきは法人の現経営者であり,退任した理事には法人の登記をする権限がないので,退任後の理事に無条件に責任追及できるとすると,退任後の理事に助かる道がないことになってしまいます。

判例は,株式会社の取締役を辞任した者は,原則として第三者に対する任務懈怠責任(法人法では117条1項に当たる。)を負わないが,①辞任したにもかかわらず積極的に取締役として対外的又は内部的な行為をあえてした場合,②取締役を辞任した者が登記申請権者である会社の代表者に対し,辞任登記を申請しないで不実の登記を残すことについて明示的に承諾していたなどの特段の事情のあるときに,退任後の取締役が責任を負うとしています(最判昭和62年4月16日)。

この点に関して,法人法と会社法にはほぼ同一の規定がおかれており,一般法人・公益法人でも同様に考えることができると思われます。
したがって,退任後の理事は,あえて理事としてふるまった場合や,自分が理事である旨の登記を残すことに承諾するなどの事情のない限り,退任後の事件等について責任を負う可能性は低いと考えられます。

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社員総会による代表理事の選定

社団においては,代表理事は理事会において選定されることとされています(法人法90条3項 理事会を設置しない一般社団法人は除きます。)。では,理事会とは別に社員総会において代表理事を選定することを定款に定め,選定後理事会がこれを追認することは可能なのでしょうか。これにつきましては法人法上明確な規定はございません。しかしながら,社員総会は定款で定めた事項についても決議ができるとされていること(法人法35条2項),法人法35条4項は法律上の社員総会の決議事項を理事会決議事項とすることは禁止しているが理事会決議事項を社員総会の決議事項とすることは禁止していないこと,理事会の選任権限が残されているのであれば理事会による代表理事の監督権限がなくなるわけではないこと等からすれば,一般社団法人についてはこのような選定を行うことも許容されているといってよいでしょう。ただし公益社団法人においては,認定法の要件をクリアしているとの信用を与えられており税制優遇等も受けていることからして,事業を適正に行う仕組みが一般社団法人以上に求められておりますので,理事会による代表理事の監督権限を弱める可能性があるこのような選定方法は原則として望ましくはありません(「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成する際に特に留意すべき事項について」(平成20年内閣府公益認定等委員会)Ⅱ7ご参照。)。

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最初の代表理事の選定について

これから移行される法人の皆様の中には、来年又は再来年41日に登記できるよう申請の手続きを進めていらっしゃる方が少なくありません。今回は、申請の際に問題となりうる代表理事の選定について触れてみたいと思います。

申請の際に提出する定款の変更案には、最初の代表理事、会計監査人の氏名を直接記載する必要があります。

しかし、定款変更案の承認時点で代表理事がまだ選定されていないという場合も考えられます。この場合には、移行認定(移行認可)の申請にあたって定款の変更案の決議がなされていれば、申請時に代表理事の選定がなされていなくても、申請自体は可能です(FAQ問Ⅱ―3-①)。申請後に代表理事の選定等を行い、行政庁に対して役員等就任予定者の氏名等を記載した書類に代表理事を追加したものなどの必要書類を速やかに提出すれば,問題ありません。

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