2010年7月30日 (金)

公益申請の現状

 7月22日に蓮舫行政刷新大臣から、「公益法人の皆様へ」と題して、移行認定・認可の手続を早く取るように促すメッセージが出されました(詳しくは、公益法人インフォメーションhttps://www.koeki-info.go.jp/ をご覧ください)。ここでは、審査期間は4ヶ月であること、一般法人に移行してから公益認定を受けることができることの二点が特に強調されているようです。
 他方で、「国からの補助金や天下り役員などを受け入れている一部の法人に対しては厳しくそのあり方を問い直してい」くとも述べており、そういう姿勢は変わっていないようです。しかし、天下りの有無や補助金の有無は公益認定基準とは直接関係が無いので、このようなことを強調することは、認定基準の運用に対する疑心暗鬼を呼び起こすことになるのではないかと心配をしています。
 
 平成20年の統計によると、公務員出身の理事がいる特例民法法人は、
国所管の法人の49.9%、
都道府県所管の法人の27.9%
にのぼります。特例民法法人の3つに1つが、公務員出身の理事を抱えていることになります。3つに1つの法人が、公務員出身の理事がいるがゆえに、『申請に対して厳しい対応をされるかもしれない』という不安を持つとすれば、必然的に移行申請を躊躇してしまうことになるでしょう。

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2010年7月28日 (水)

申請の悩み解消~よくある疑問に答えます~

(疑問)
公益法人への移行を考えている社団法人です。
当法人は、東京に本部があり、全国に4か所の支部があります。
この支部も、公益法人となることができますか?

(答え) 
「○○社団法人△△支部」という名称が付いていても、その実態は、法人ごとに異なります。
例えば、運営・会計の全ての面で本部の指揮下にある支部から、支部とは名ばかりで本部から完全に独立した外殻団体のようなものまで、その実態は様々です。

公益法人への移行申請は、1つの法人ごとに行うこととされています。
そのため、公益認定基準の該当性の判断も、1つの法人ごとに行います。

この「1つの法人」とは、名称などの形式で判断されるのではなく、実態で判断されます。
実態とは、「本部と支部の事業・経理が、一体かどうか」ということです。

「本部・支部全体で1つの法人なので、このまま1つの公益法人になりたい」と考えたとします。
さて、どのように考えればいいでしょうか。

前述のとおり、支部と名前が付いているから本部と一体だ!ときめ打ちはできません。
そこで、まず、実態を把握するために、本部と支部の事業・経理の現状を把握してみましょう。
ここで、「1つの法人」と言えるかをチェックします。

この段階でつまづいてしまったら、これを機会に、本部・支部の実態を見直すことが必要です。
その上で、1つの法人としての公益認定基準の検討に入ります。

では、支部の事業・経理が本部と一体であるという実態がないが、実態を見直すことも困難だとします。
それでも支部を公益法人としたいのであれば、支部を本部と切り離した独立した法人とすることも検討せざるを得ないでしょう。

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2010年7月26日 (月)

特例民法法人から一般法人への移行 第1回

Q
 私は、現在、特例民法法人の理事をしています。弁護士とも相談した結果、公益法人への移行認定を受けるのは厳しいため、一般法人への移行認可を目指すことに法人内で決定しました。一般法人への移行認可を受けるにあたって特に注意すべきことはなんでしょうか。

A
 一般法人に移行する際に考えるべき点は、以下の3点です。

 1つ目は、一般法人に移行しても収益基盤が安定しているかどうかである。
具体的には①行政の受託事業を引き続き任せてもらえるか、②寄付金が従来どおり集まるか、③会費が従来どおり集まるか、である。

2つ目は、公益目的支出計画を適正かつ確実に実施できるかどうかである。公益目的支出計画を適正かつ確実に実施するためには、ほぼ公益法人の公益目的事業と同様のものが要求されるため、そのような事業を行う覚悟が必要である。

3つ目は、税務関係についての適切な処理を行うことが出来るかどうかである。具体的には、一般法人の中でも税制優遇のある非営利型の法人に移行するかどうか、税務当局との対応を適切に行うことが出来るかどうか、である。

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2010年7月23日 (金)

内部統制の整備4(理事の決定または理事会の決議、事業報告の記載)

Q 導入すべき内部統制システムの青写真が決まりました。その後は何をすれば良いですか?

A 導入すべき内部統制システムの青写真が決まったら、これを理事の決定または理事会の議決に付します。
 決議は一般法人法施行規則記載の各項目が盛り込まれていれば、形式的に項目ごとにする必要はありませんし、内部統制システムの「整備」に係る事項、すなわち基本方針について決定すれば足り、「体制」そのものの決議は不要です。
 内部統制システムの整備について理事の決定または理事会の決議があった場合、その概要を事業報告に記載する。決定または決議の内容を逐一転記する必要はありません。
 内部統制システムの決議は、一度決定すれば、その決定を取消されない限り有効に存続しているので、過去に内部統制システムの理事会決議を行っていれば、同一の内容を、変更決議を行うまで毎年事業報告に記載するべきことになる。

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2010年7月22日 (木)

内部統制の整備3(業種や規模に応じた内部統制)

Q 規模の小さい公益法人なので、上場企業のような内部統制システムの構築、整備および運用はとてもできません、もっと簡略化したものでも良いですか?

A 公益法人の内部管理に求められるものは、事業の内容や組織、関係するリスクによって千差万別です。定款を含めた規程類は、数多く、重厚なものを作らなければならないわけではありません。数人で事業を運営している法人ならば、規程類を簡略化してチェックリスト形式としてもよいのです。
 寄附と会費だけで運営している法人と収益事業も行っている法人でとは、業務プロセスがまったく違うのであって、多額の助成金や補助金を毎年受け入れる法人ならば、内部監査の実施や監査報告を行わなければなりません。奨学財団には個人情報保護法に対応する規程類が必須ですし、美術館には災害時に来館した人を安全に非難させるための規程類や訓練、それに係る職務分掌規程と職務権限規程が欠かせません。
 内部統制システムについては、会社法ガバナンスを専門とする法律事務所の得意分野ですから、公益法人に求められる内部統制の内容や規程類につきお悩みの場合は、会社法ガバナンスを専門とする法律事務所に相談することが解決への早道です。

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2010年7月21日 (水)

内部統制の整備2(既存の制度との関係)

Q 公益法人に既に存在している制度の中で、内部統制といえる制度はありますか?その既存の制度と内部統制システムとの関係はどうなるのですか?

A 例えば、「担当者同士の相互チェック、管理職の検印」、「稟議書制度」、「社内規程の制定」などは、内部統制の一部です。会社の支払いの意思決定者と支払担当者を分けるのも、職責分離という内部統制、“ホウ・レン・ソウ”といわれる、「報告」「連絡」「相談」も内部統制の一部といえます。
 こうした制度はある程度の組織ならば、特に文書化していなくても、経験的に根付いています。こうした既存の制度も内部統制の一環ですので、すべて廃止する必要はありません。
 ただし、内部統制の枠組みを通して見ると、不十分な部分もあるはずです。これらを社員に周知徹底し、教育し、具体的な手続きを整備し、日常的に業務がチェックされ、最後に内部監査でレビューするというプロセスが必要です。
 このようにリストラクチャリングしたものを内部統制システムとして採用することも可能です。

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2010年7月20日 (火)

内部統制の整備1(具体的な導入の方法)

Q 公益法人において、どのような手順で内部統制システムを導入したら良いですか?

A 当該公益法人の現実の事業活動に即して内部統制システムを構築するのが効率的で、理にかなっています。具他的な手順は以下のとおりです。
まず、当該公益法人において、定款上で定められた組織と事業目的を確認し、事業目的達成のための計画(例えば、年度ごとの具体的な活動を記した事業計画書と収支予算書・内訳書など)を策定して下さい。
次に、当該公益法人の活動を、管理に係る活動と事業に係る活動を分けて可視化し、業務プロセスごとに分解し、目的を明確にするとともに、目的達成の要件を決定して下さい。このように業務プロセスを細分化することで、当該法人の現実の業務フローを確認することができます。
その後、目的達成を阻害する要因を確認し、リスクと認識された内容をリスト化して評価し、優先順位をつけていきます。リスク管理体制の前提としてのリスクは当該公益法人の現実の業務フローを前提に、具体的に抽出しなければなりません。
最後に、当該公益法人が持っている経営資源(人・物・金・情報)とリスクを勘案して対応策を決定し、規程などの形で関係者に周知した上で、肝心なことは、現実の活動に移すことです。
活動は自己点検と内部監査などにより確認され、活動が目的を達成しているか、リスクは軽減しているか、新たな問題が生じていないかを評価する体制を作ります。

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2010年7月16日 (金)

新公益法人制度を理解するための5つの視点(その5)

6.柔軟性

先輩弁護士A

「最後に柔軟性の視点がある。これは、活動状況の変化に応じて、法人の位置付けが柔軟に見直されるということだ。公益性を失った法人が公益法人として固定的に存続していた従来の弊害を除去し、制度への信頼を確保するためだね。」

新人弁護士B

「この見直しは、行政庁による監督により行われるわけですね。」

先輩弁護士A

「そう、報告徴収・立入検査・勧告・命令・認定の取消し等や変更の認定、定期的な事業報告等により、事業の適正な運営を確保するために監督が行われる。」

新人弁護士B

「従来の監督とは異なるのでしょうか。」

先輩弁護士A

「前に述べた内閣府の『監督の基本的考え方』によれば、監督についても裁量的なものから法令で明確に定められた要件に基づくものに改められたことや法律でガバナンスや情報開示について詳細に定められたことを踏まえて、監督に望むとしている。これは、ガバナンスにより確保されている自律性を尊重しつつも、透明性により開示される情報を基に、適正な運営を確保するために迅速かつ厳正に対処することを示したものだ。基本的に制度改革の趣旨を反映した適切な姿勢といえるだろう。」

新人弁護士B

「こうやってみると、柔軟性の視点は、自律性や透明性などの視点と深く関係していますね。」

先輩弁護士A

「そうだね。自律性が平常時に常に求められるのに対し、監督は公益法人のあり方を事後に柔軟に見直すものとして適宜厳しく行われる。ただ、その監督における判断は、法令に定められた客観性を有した基準に基づいていなければなければならないし、そのためには法人の実態把握が不可欠であるから、透明性はその基礎になる。このように柔軟性の実現には他の視点が密接に関わっていることは、意識しておいたほうがよいだろう。」

新人弁護士B

「わかりました。」

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2010年7月15日 (木)

新公益法人制度を理解するための5つの視点(その4)

5.透明性

先輩弁護士A

「もうひとつ重要な視点に透明性がある。これはどういう視点かな。」

新人弁護士B

「はい、法人運営や活動が、広く国民に分かりやすいものとなるように、情報開示をしていくということです。」

先輩弁護士A

「そうだね。公益法人においては、目的・事業の公益性や活動が寄附等で支えられていることなどの特殊性があることから、特に広く国民にわかりすい形で情報開示を行うことが求められているんだ。」

新人弁護士B

「具体的にはどういうことでしょう。」

先輩弁護士A

「たとえば、公益法人は、貸借対照表、損益計算書、事業計画書、財産目録等について、閲覧請求があった場合、請求者が誰であっても、正当な理由がない限り、その請求を拒むことはできないことなどが特徴的だろう。一般社団法人にはそのような規定はないからね。」

新人弁護士B

「どうして公益法人について透明性が重視されているのでしょうか。」

先輩弁護士A

「透明性を高めることにより、トレイサビリティー(追跡可能性)が高まる。そして、トレイサビリティーが高まると財産が適正に使われる可能性が高まる。結果として、公益活動に対する社会の信頼が高まるというわけだ。税制優遇を受ける公益法人であるからこそ、適正な運営によって財産が使われる必要があるため、透明性が特に重視されるんだよ。」

新人弁護士B

「国民の厳しい目にさらされるけれど、逆に信頼を得れば公益活動も健全に発展していくということですね。」

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2010年7月14日 (水)

新公益法人制度を理解するための5つの視点(その3)

4.客観性

先輩弁護士A

「客観性という視点もある。従来、公益性の判断については主務官庁の自由裁量により決定されていた。しかし、それでは民間の発想が公益活動に反映されにくく、民による公益の増進は実現されない。そこで、国民の意向を適切に反映した中立的機関である公益認定等委員会が実質的に公益性を判断することになった。そして、その判断の基準は裁量の余地の少ない客観的かつ明確な要件として法律に定められたんだ。」

新人弁護士B

「でも、従来から『法益法人の設立許可及び指導監督基準』という客観的な判断基準があったのではないでしょうか。」

先輩弁護士A

「確かに『指導監督基準』はあったが、法律に明文化されていない事項が多く、結局主務官庁の裁量が認められていた。この度の改革では、『指導監督基準』や他の法人法制の考え方なども踏まえつつ、判断基準のあり方を見直し、できるだけ裁量の余地を排除した客観的な基準を法律に明記したことに大きな意味があるんだ。」

新人弁護士B

「裁量が排除されたということは、裁判所の判断が一定程度及び、今後、不認定処分を取消訴訟などで争うことも選択肢として考えられるということでしょうか。」

先輩弁護士A

「そのとおり。公益性を否定されたことが公になると、以後、当該法人が寄附を集めにくくなるなど、事業活動に支障がでる可能性はある。執行停止の要件を満たすか否かなど、難しい問題があるにせよ、不認定処分を争うことも選択肢のひとつとして考えなければならないこともあるだろう。そういった意味でも、客観性の視点は重要なものといえるね。」

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2010年7月13日 (火)

新公益法人制度を理解するための5つの視点(その2)

2.簡便性

先輩弁護士A

「まずは、簡便性だね。これは主務官庁の許可制ではなく、定款作成と設立登記のみにより簡単に一般社団法人・一般財団法人を設立できるようになった(準則主義)ということだ。ではなぜ簡便性が必要なのかな。」

新人弁護士B

「うーん、簡単に法人を作れれば、やりたい公益活動がしやすいので…」

先輩弁護士A

「そうだね。先ほどの目的からすると、官の発想ではなく、民の発想・目線で行動できる非営利の法人を増やすことが、民による公益の増進につながる。そこで、認証主義などはとらず、官の関与を極力排除して、法人設立の簡便性を実現したんだ。」

新人弁護士B

「なるほど。」

3.自律性

先輩弁護士A

「簡便性と関連する視点が自律性だ。つまり、行政の関与を極力排除して、法人が自律的な運営を行うという視点だ。従来は、法人の運営についても主務官庁による事前の指示監督に服しており、ガバナンスに関する法整備が不十分だった。しかし、今回の改革で、市民からの信頼を得る適正な法人運営が自律的に行われるように、行政の事前の関与は極力排除され、営利法人と同様のガバナンスや内部統制などが求められることになった。」

新人弁護士B

「行政による事前チェックではなく、事後チェックに転換したということですね。」

先輩弁護士A

「そのとおり。行政庁の監督については『法律により法人のガバナンス(内部統治)および情報開示について詳細に定められたことを踏まえ、…法人自治を大前提としつつ、民による公益増進のため新公益法人が新制度に適切に対応できるよう支援する視点を持つ。』(内閣府『監督の基本的考え方』)」とされており、基本的に法人運営の適正は自身に委ねられることになった。」

新人弁護士B

「しかし、剰余金を構成員に分配することを目的としない非営利法人について営利法人並みのガバナンスが必要なんでしょうか。」

先輩弁護士A

「昨今の公益法人による不祥事に対する社会の反応を見てもわかるように、公益活動において、社会の信頼は営利法人以上に重要な要素だといえる。そして、法人が自律的に適正な運営をしてはじめて、民による公益活動について社会の信頼が得られるそうだとすれば、むしろ営利法人よりもガバナンスの必要性があるといえるのではないかな。」

新人弁護士B

「よくわかりました。」

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2010年7月12日 (月)

新公益法人制度を理解するための5つの視点(その1)

1. 新公益法人制度の目的と視点

先輩弁護士A

「今日からB君には公益法人チームに入ってもらおう。新しい公益法人制度については知っているかな。」

新人弁護士B

「はい、勉強してきました。」

先輩弁護士A

「それは素晴らしい。じゃあ、突然だけど、質問しよう。そもそも、この度公益法人制度が改革されたのはどうしてかな。」

新人弁護士B

「はい。ええと、従来の制度には、①許可制の下で主務官庁の裁量の幅が大きく、法人設立が簡単ではなかったこと、②裁量による公益性の判断基準が不明確であったこと、③すでに公益性を失った営利法人類似の法人も公益法人として存続していたこと、④公益法人による不祥事が生じていたことなど、多くの問題点があったからです。」

先輩弁護士A

「そうだね。従来の制度から生じていた弊害を除去するという消極的な理由は当然ある。では、もっと積極的な理由はなかったかな。」

新人弁護士B

「はい、今回の改革では、民間による公益活動の促進が目的とされています。」

先輩弁護士A

「そのとおり。少子高齢化時代が到来し、社会のニーズも多様化した今の日本においては、より機動性のある民間非営利部門による公益活動の促進が期待されている。財政状況の厳しい政府や、採算性が求められる営利部門では十分に対応できない分野があるからね。そこで政府も、官による公益から『民による公益の増進』という『大きな哲学の転換』(平成20年3月26日内閣委員会議事録・岸田国務大臣)を行ったんだ。」

新人弁護士B

「今回の改革には、単なる弊害除去にとどまらない積極的な目的があるということですね。」

先輩弁護士A

「そう、今回の改革は、従来の公益法人は、全く新しい考え方で制度をみていく必要があるという意味で非常に重要なものなんだ。」

新人弁護士B

「正直色々と細かい規定がたくさんあり、法人側としても理解するのが大変なんじゃないでしょうか。」

先輩弁護士A

「確かにそうだが、新公益法人制度は大きく捉えれば5つの視点から設計されている。その視点を持って各制度にあたっていけば、より理解しやすいはずだよ。その視点というのは、①簡便性、②自律性、③客観性、④透明性、⑤柔軟性の5つだ。これからひとつずつ説明するからB君も参考にするといい。」

新人弁護士B

「よろしくお願いします。」

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2010年7月 9日 (金)

特例民法法人の申請までのスケジュール 10

T理事
「それでは、公益法人へ移行しよう!と理事たちで決めたとします。次はどうすればいいのですか?」

S弁護士
「役員などの機関をどうするのかを検討します。社団法人であれば理事会、財団法人であれば評議員会には、移行後は、委任状を提出した代理出席は認められません。したがって、数多くの理事がいる法人で、これまで代理出席による理事会を開催していたとすると、今後は、例えば、理事に必ずご出席いただくか、単純に理事の人数を減らして出席できる方のみにする、などの対策をとらないと、理事会そのものが開催できなくなってしまいます。」

T理事
「そうした内部の変更は、すぐにできるばあいだけではないかもしれません。」

S弁護士
「そうですね。法人それぞれの内部の問題ですから、ガバナンスを整備するのにどのくらい時間がかかるのかも、法人によって異なりますね。
それから、定款も変更することが必要ですので、その変更案を検討します。定款の変更の際は、内閣府が作成した『定款の変更の案 作成の案内』を、公益法人インフォメーションのホームページからダウンロードして使うと参考になりますよ。
また、定款には、法人の目的等を書きますので、最初に法人の基本的な姿勢を理事の皆様で話し合っておくことは、この検討の際にも生きてきますね。」

T理事
「なるほど。枝葉ではなく幹を重視すること、つまり、法人の目指すビジョンをまずはきちんと持つことが、後々にも有効ということですね。」

S弁護士
「そうだと思います。
そして、申請に向けて必要な書類は何か、それは誰が作成するのかという、法人内部の役割分担を定めるといいでしょう。申請に必要な書類も、公益法人インフォメーションに掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。」

T理事
「いろいろお話を聞いて、心配が薄れてきたように思います。早速、他の理事たちと検討してみます。ありがとうございました。」

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2010年7月 8日 (木)

特例民法法人の申請までのスケジュール 9

T理事
「申請のときには、今後の事業計画を示すことになるわけですね。」

S弁護士
「そうです。法人が、今後、『誰に、どういう利益を生もうとしているのか』つまり、経営の視点からみれば、『法人の事業を継続させていくのに役立つのは、公益法人か一般法人か』ということを、まずは確認することが、結局は、公益認定基準を満たすかどうかを検討する場合にも、関わってくるのです。」

T理事
「公益認定基準にあてはめて、必要な項目に該当するのであれば、移行認定の申請をしてしまえばいい、というものではないのですか?」

S弁護士
「確かに、そのような法人もいらっしゃるかもしれません。
ただ、現状のままでも公益認定基準を全部満たすという法人は、どのくらいあるでしょうか。おそらく、多くの法人では、いざ公益認定基準を満たすかどうかを検討することになったら、いくつかは基準にあわないものが出てくることでしょう。そうなったときに、理事の皆様が、この法人をどうしたいのかという方向性が見えていないと、どのように改善するのかについても、話し合いが困難になることは、想像いただけるのではないでしょうか。」

T理事
「かなり、経営的な話ですね。」

S弁護士
「そうですね。一般法人、公益法人になった場合には、ガバナンスなども会社法とほぼ同様の規定が置かれ、法人の自治も要求されています。これまでのように、主務官庁に聞いてそのとおりにしていればいい、という時代ではなくなります。したがって、まずは法人の経営者である理事の皆様が、経営者の視点で、法人の将来像を描くことが重要なのです。」

T理事
「なるほど。そうした検討をした上で、公益法人となることは法人の将来像に合わないと思ったら・・・」

S弁護士
「その場合には、一般法人への移行を検討することになるでしょう。
もちろん、ここで最終決定してください、という意味ではありませんよ。何からはじめるか迷っているのであれば、まず方向性を決めることからスタートするのが有益だということです。」

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2010年7月 7日 (水)

特例民法法人の申請までのスケジュール 8

T理事
「それでは、公益法人へ移行しよう!と理事たちで決めたとします。次はどうすればいいのですか?」

S弁護士
「役員などの機関をどうするのかを検討します。社団法人であれば理事会、財団法人であれば評議員会には、移行後は、委任状を提出した代理出席は認められません。したがって、数多くの理事がいる法人で、これまで代理出席による理事会を開催していたとすると、今後は、例えば、理事に必ずご出席いただくか、単純に理事の人数を減らして出席できる方のみにする、などの対策をとらないと、理事会そのものが開催できなくなってしまいます。」

T理事
「そうした内部の変更は、すぐにできるばあいだけではないかもしれません。」

S弁護士
「そうですね。法人それぞれの内部の問題ですから、ガバナンスを整備するのにどのくらい時間がかかるのかも、法人によって異なりますね。
それから、定款も変更することが必要ですので、その変更案を検討します。定款の変更の際は、内閣府が作成した『定款の変更の案 作成の案内』を、公益法人インフォメーションのホームページからダウンロードして使うと参考になりますよ。
また、定款には、法人の目的等を書きますので、最初に法人の基本的な姿勢を理事の皆様で話し合っておくことは、この検討の際にも生きてきますね。」

T理事
「なるほど。枝葉ではなく幹を重視すること、つまり、法人の目指すビジョンをまずはきちんと持つことが、後々にも有効ということですね。」

S弁護士
「そうだと思います。
そして、申請に向けて必要な書類は何か、それは誰が作成するのかという、法人内部の役割分担を定めるといいでしょう。申請に必要な書類も、公益法人インフォメーションに掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。」

T理事
「いろいろお話を聞いて、心配が薄れてきたように思います。早速、他の理事たちと検討してみます。ありがとうございました。」

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