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2011年4月

求められるガバナンス-鳥飼総合法律事務所の企業法務が役立つ!

 公益法人制度改革の中で、公益法人には会社法並みのガバナンスが求められていると聞くことがあります。この「会社法並み」とは、どのようなことなのか。会社法におけるガバナンスの知識が公益法人のそれにどのように活用されるのか。そんな一例として、2010年11月17日の本ブログ記事でご紹介させていただきました。
 そこでは、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第90条4項1号「重要な財産の処分及び譲受け」を考えるに際して、会社法362条4項1号「重要な財産の処分及び譲受け」の解釈及び解釈に関する判例が役立つことを指摘させていただきました。具体的な内容に関しては、2010年11月17日の記事をご覧ください。

 さて、本日、ここで考えてほしいのは、公益法人の皆様が参考にすべきは、このような会社法に関する知見だけでしょうか。答えは、否です。
 どんな法人にでも共通するところで例を挙げれば、コンプライアンスや内部統制が適切になされているでしょうか。また、労働法を含む労務管理の分野については、どうでしょうか。少し具体的に言えば、従業員を雇用するときの契約関係は、適法妥当なものでしょうか。残業に関する取扱いは、しっかりできているでしょうか。女性従業員の職場環境に関する配慮はされているでしょうか。一昨年、騒がれた裁判員裁判の制度への対応は決められているでしょうか。
 最後の点を敷衍すれば、一昨年、裁判員裁判が導入されました。企業の従業員が裁判員として選任される可能性が生じました。裁判員に選任された場合の従業員の給料の取扱い、有給の取扱い等について、多くの企業は対応を決めました。さて、御法人は対応済みでしょうか。
 さらに、個別の法人に関して言えば、法人の設立の根拠となる法律や業法など配慮すべき法律は少なくありません。十分に対応することができているでしょうか。

 株式会社類似のガバナンスが求められている公益法人では、今後、このような法的な問題について、しっかりとした対応が必要になります。

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公益認定の取消しについて

公益認定の取消しに関しては,認定法29条1項に必要的取消事由について,同条2項に裁量的取消事由について定めがあります。

同条1項3号によれば「命令に従わない」ことは必要的取消事由に当たります。

一方,同条2項各号(裁量的取消事由)に該当すると疑うに足りる相当な理由がある場合には,裁量的に勧告がされ,この勧告に従わなければ裁量的に勧告に係る措置をとることの「命令」がなされます。
つまり,裁量的取消事由に該当する場合には,勧告・命令という過程を経て,必要的取消事由が生じてしまう場合があるということです

裁量的取消事由には,「法令または法令に基づく行政機関の処分に違反したとき」が含まれます。

そして,公益法人へ移行した後に公益認定が取り消されると,公益法人から一般法人になり,公益目的取得財産残額に相当する額の金銭について贈与をしなければならなくなるという重大な不利益が発生します(認定法30条,同規則47条~51条参照)。

そのため,法人はあらゆる法令に違反することのないよう注意し,勧告がなされた場合には速やかに是正することが望ましいと言えます。

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表彰選考の公正性 記載例と添付資料例

表彰事業を公益目的事業に入れて、事業比率をあげたいと思っていらっしゃる法人も多いかと存じます。そこで次のようなQ&Aを考えてみました。

Q チェックポイント(14)表彰,コンクール“②選考が公正に行われることになっているか。(例:個別選考に当たっての直接の利害関係者の排除)”はどのようにその該当性を説明し,どのような資料を添付すればよいでしょうか

A たとえば,“表彰の選考は,複数の候補者の中から抽選で選ばれる推薦人から,著作・論文の推薦を受け,その上で,論文・著作の作者の名前が分からないようにして,専門家が匿名の選考を行っています。”のように記入し,
 特定の組織の者のみを対象として表彰するなどの偏りがないことが分かるよう
選考規程
応募要綱
審査員名簿
過去の実績
などの資料を添付するのがよいでしょう。

ご参考になれば幸いです。

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内部統制(4)~「使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」

1.はじめに

今回は,法人の業務の適正を確保するために必要とされる「使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」(法人法施行規則14条4号)についてお伝えします。

2.内容

ここにいう体制とは,法人の事業活動について適用される法令の割り出し,発生する可能性のある法令・定款違反行為の把握やその防止のための体制をいい,コンプライアンス担当の職員・部署等の設置や,倫理規程・各種業務に関する規程などによる行動規範の制定,内部通報体制の整備などが該当します。

3.役員責任への影響

内部統制に当たって使用人の職務執行の適法性を確保することは極めて重要であり,また役員責任の存否の判断にも大きく影響してきます。

部署の設置や規程の整備も重要ですが,単に規程を作って終わりではなく,継続的に法令や職務の執行状況をチェックしていくことも重要です。

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求められるガバナンス~立入検査に関する5つのポイント

さて、本日は、立入検査の際に事前に確認すべき5つのポイントを書きます。立入検査は、3年に1度は、必ず各法人に対して実施されることになっているわけですが、立入検査を受ける法人側としては、何に注意をすればいいでしょうか。
 立入検査については、多様なことが色々な場所で解説されています。しかし、立入検査に関する多くの説明は、注意すべきポイントが多すぎて実行することが難しいものになっていると思います。本当に重要で、本当に事前に準備しなければならないものは何なのか。そのような大事なものにポイントを絞ってポイントを列挙させてもらいました。

立入検査における守るべき5つのポイント
 定款・事業計画書・財務書類等法人の基礎となる書類に誤記、虚偽がない
 公益を増進する事業の実態があること
 内部統制(職務分掌規定・職務権限規程等)がしっかりとしていること
 それに基づく運営がされていること
 その運営の記録が書類として整っていること

法人運営において、最も基本的な上記事項について、今一度、整備されているかを確認してみてください。

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役員・代表理事の補欠選任について

 理事及び監事については、欠員が生じた場合に備えて補欠を選任しておくことができます(法人法63条2項、177条)。評議員についても、定款でその方法について定めを設けることによって(法人153条1項8号参照)補欠を選任しておくことも可能です。

 一方、代表理事に事故があった場合、代表理事があらかじめ定める順番で他の代表理事でない理事に職務を代行させることはできません。これは、理事会の代表理事の選定権限を奪い、将来の代表理事の選定を代表理事が行うことを許容するものとなるからです(留意事項Ⅱ-7の注3)

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移行認定における寄附金規程の意義

今回は,移行認定との関係で,寄附金規程について取り上げてみたいと思います。

1 移行認定申請書の添付書類として
  まず,内閣府作成の「申請の手引き移行認定編」によると,寄附の使途の特定の内容がわかる書類(寄附金規程がそれに該当する場合もあると考えられます。)は,公益目的事業以外に使途を特定した寄附がある場合に,移行認定申請書の添付書類となっています。
  このように,公益目的事業以外に使途を特定した寄附がある場合にのみ,移行認定申請書の添付書類となるのは,以下の理由によるものと考えられます。
  受取寄附金は,正味財産増減計算書上に経常収益の一項目として計上されるところ,公益目的事業会計に当該受取寄附金が計上される場合には,収支相償の規制を受けます。一方,収益事業等会計や法人会計に計上される場合には,このような規制を受けないこととなるため,規制を受けないことを説明する根拠として,書類を申請書に添付することが必要になるものと考えられます。

2 遊休財産額規制
  また,遊休財産額の規制において,使途の定まった寄附金を控除対象財産とするためには,一定の事項を記載した寄附金規程を備え置いたうえで,閲覧に供する必要があります(認定法規則第22条第5項)。

3 まとめ
  このように,寄附金規程は,移行認定にあたっての,収支相償や遊休財産規制の判定にあたって,非常に重要であるといえます。また,寄附してもらう財産の使途等を明確にし,さらにそれを備え置き国民の閲覧に供することで,寄附をより募りやすくなるという面も考えられます。

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内部統制(3)~「損失の危険の管理に関する規程その他の体制」

段々と暖かくなってきましたが,同時に,朝と夜の気温差も激しくなってきました。
風邪などひかないよう,気を付けたいですね。

今回は,リスク管理について御説明します。
法人法90条4項5号,法人法施行規則14条3号では,「損失の危険の管理に関する規程その他の体制」の整備が業務の適正を確保する上で必要であるとされています。

「損失の危険の管理に関する規程その他の体制」の整備の内容としては,発生する可能性のあるリスクの把握やリスク発生防止のための仕組みについて規定するリスク管理規程研修制度有事の対応マニュアルの作成などが考えられます。

法人の活動に伴いどのようなリスクが発生するかは,法人の活動内容に大きく左右されます。たとえば,金銭の貸し付けを行う法人であれば貸し倒れのリスクが生じるでしょうし,機械類を扱う法人では機械類の事故などのリスクが生じるでしょう。
どの段階でどのようなリスクが生じるかを検討するには,業務のプロセスをフロー図にすることが有効です。

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求められるガバナンス~内部通報制度から考える1

2011年3月28日に「求められるガバナンス~不正を発見する体制」の記事で、

不正を発見する体制の整備が求められていると書かせて頂きました。

その1つが内部通報制度です。

では、内部通報制度とは、どんな制度なのか。

簡単に言えば、

企業内の不正、不祥事等に関して、従業員等が特定の窓口に通報することができるようにする制度のことです。


 
法律には内容が似ている「公益通報者保護法」があります。

この法律によると、一定の場合、法人内の不祥事などを告発した従業員は、

その告発を原因とする法人の不利益処分から保護されることになるという内容です。

そのため、この法律は、「労働者の保護」のための法律と言っていいものなのです。


これに対して、内部通報制度の主眼は、

企業内部の膿を企業自身の手で出すことにおかれているのが通常です。

つまり、従業員等が法人内の不正等を発見した場合に、

従業員等が上司や顧問先の法律事務所等に通報することで、

不正が早期に発見・改善されるので、法人の内部での対応を可能とするということなのです。

そのため、この制度は、法人の「不正の早期発見・改善」が目的と言っていいものです。

このような内部通報制度があれば、不祥事にならないで済むことも出てくることでしょう。。

例えば、上司がセクハラをしていたケースを考えてみると、

マスコミに情報が流れれば、週刊誌に報じられるかもしれません。

行政に通報されれば、立入検査の際に追及されるかもしれません。

このようなときに、内部通報制度は機能します。

つまり、被害者の従業員もしくはその被害を目撃した従業員等から、

一定の事実に関する報告があることで、法人として対応することができるようになるのです。

このような内部通報制度の整備は、

法が求めている業務の適正を確保するための整備の1つと言えます(一般法人法90条4項、同規則14条参照)。

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求められるガバナンス~内部通報制度から考える2

2011年4月4日に「求められるガバナンス~内部通報制度から考える1」の記事で、内部通報制度について書かせて頂きました。

そこでは、内部通報制度がどんな制度で、なぜ必要かを書きました。

しかし、制度の存在を知っていても、制度が機能しなければ意味がありません。

いかにして、しっかりと機能する内部通報制度を構築するかが担当者にとっては大事なポイントになります。

そこで、構築の際の1つのアドバイスをさせて頂きます。


まず、公益通報者保護法を受けて策定されたものではあるのですが、

内閣府から「公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン」が発表されています。

極めてコンパクトに本制度構築の要諦を示しています。参考にしてみて下さい。

しかし、本ガイドラインは、

あくまでも労働者保護のための公益通報者保護制度の観点より示されたものであるため、

法人内の不正の早期発見・改善の観点からは、さらに検討を要する点があります。

例えば、

通報者氏名の秘匿を法人が約束すると、法人の調査の方法を事実上制約してしまい、

早期発見・改善につなげられないケースもあり得ます。

真に実効的な内部通報システムとはどのようなものかを上記の視点に基づいて、洗い直す必要があるのです。

株式会社と同等のレベルのガバナンスを求める今回の公益法人制度改革においては、

このような株式会社におけるコンプライアンス体制構築も大変に参考になるものだと思います。

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平成23年東北地方太平洋沖地震関係での質問事項の追加についてのお知らせ

今回の地震に関連して,事務処理上の疑問が生じている法人も多いかと思います。
内閣府では,法人の疑問に対して「よくある誤解」にて回答をしていますのでご紹介します。

またこのほかにも,「公益認定等委員会委員長からのメッセージ」において,池田委員長は,公益法人の専門的知見や経験,財産を生かした復興に期待するという趣旨のメッセージと共に,「被災地支援や震災復興に役立つ形での寄付やさまざまな活動を行うために手続きが必要な場合には,積極的に協力させていただく」と表明しております。

現在の事業内容からすると支援は困難なことから,法人の活動として復興支援をすることを断念している法人でも活動内容によっては,これが可能となる場合もあります(「よくある誤解【質問1】参照)ので,ご興味ある方は下記リンクをご参照ください。

公益法人インフォメーション
「よくある誤解」へのリンク
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/common/index.do?contentsKind=110&gyouseiNo=00&contentsNo=00606&syousaiUp=0&procNo=contentsdisp&renNo=1&contentsType=02&houjinSerNo=undefined&oshiraseNo=undefined&bunNo=0&meiNo=0&seiriNo=undefined&edaNo=undefined&iinkaiNo=undefined&topFlg=0
「東北地方太平洋沖地震に関する公益認定等委員会委員長からのメッセージ」へのリンク
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/common/index.do?contentsKind=120&gyouseiNo=00&contentsNo=00009&syousaiUp=1&procNo=contentsdisp&renNo=1&contentsType=02&houjinSerNo=&oshiraseNo=&bunNo=1120113132&meiNo=1120123486&seiriNo=&edaNo=167&iinkaiNo=undefined&topFlg=0

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不認定事例紹介 -「不特定かつ多数の利益の増進に寄与するもの」をめぐってー

沖縄県において平成23年3月23日付けで不認定相当との答申がでています。

申請法人は,公益目的事業として「官公署等の依頼を受けて行う土地家屋調査士法64条1項に規定する事務を行うこと(以下「調査士法事業」という。)」を掲げており,それが事業全体の93.7%に上るものでありました。結論としては,この調査士法事業は別表第17号に該当するものの,「不特定かつ多数の利益の増進に寄与するもの」とはいえないとされ,公益目的事業比率の要件を充たさないから不認定相当とされています。

この答申は,沖縄県の公益認定等審議会が公益目的事業(認定法2条4号)の意義をどのように理解しているかを知る上で参考になると考えられます。

沖縄県公益認定等審議会は,「6 当審議会の判断」の中で,「調査士法事業について公益法人認定法の下での公益性を認めるためには,それが,民間団体が自発的に行う公益事業の推進という公益法人認定法の目的や税制上の優遇措置等の公益法人制度改革の趣旨にそった独自性を有し,具体的に不特定多数の者の利益の増進に寄与することが認定されなければならない。」と述べております。

「不特定多数の者の利益の増進」をどのようにとらえるかについては,種々議論のありうるところです。ただ申請にあたっては,各審議会を説得する必要がありますので,特定の法律に基づいて受託事業を行っている場合には,もとになる法律の趣旨含め,当該事業を行うことが認定法の「公益」の概念に合致することを書面において説得的に展開していく必要があります。

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内部統制(2)~「理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」

1.はじめに
 昨日のブログでも,「一般社団法人の業務の適正を確保するために必要な」体制について触れさせて頂きました。
 このようないわゆる内部統制システムについては,「構築」「整備」「運用」の3つが必要とされています。
 「構築」とは,組織を作り人員を配置しマニュアル等の文書等を準備すること,です。
 「整備」とは,内部統制をデザインし,実施してもらうこと(業務へ適用すること)です。
 「運用」とは,コントロールが実際に機能していることを言います。

2.「理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」
 今日は,「理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」(法人法施行規則14条3号)について触れようと思います。
 同号の体制は,法人の運営のシステム面及び運営のプロセス面の双方において,職務の執行が効率的に行われることを意味します。
 具体的には,理事会運営規則や理事会付議基準を定め,それに従った理事会運営をしていることのほか,定例理事会の開催や,理事の職務分担理事会以外の重要な使用人の出席する会議の開催がなされていること等がこれにあたるものと考えられます。

3.オーダーメイドな体制の整備を!
  具体的にどのような体制を定めるかは,法人の規模や事業内容等によります。したがって,法人毎の実態に合わせた体制の整備をしていく必要があります。単に他の法人を真似するのではなく,オーダーメイドな体制の整備をしていくことが重要です。

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内部統制~「理事の職務執行に係る情報保存及び管理に関する体制」

理事会設置会社においては,「一般社団法人の業務の適正を確保するために必要な」体制の整備が理事会の決議事項とされています(法人法90条4項)
このような体制の一つとして,

「理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制」
があります(法人法施行規則14条1号)

これは,理事の職務の執行状況を事後的に確認する場合に,理事の職務執行に係る情報にアクセスする手段を確保するための情報の保存・管理についての体制を意味するものと解されます。

ここでいう「情報」には,理事の指揮監督の下で法人の業務執行を行う使用人の職務執行に係る情報の保存・管理に関する体制も含まれると考えられます。

このような情報を記した文書としては稟議書や常務会議の議事録などが考えられます。
「理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制」としてどのような体制を作るかは,法人の実情に合わせ,法人が自ら決めることです。
規程を作って終わりではなく,規程通りの運用が実際になされているかどうかをチェックすることも必要になるでしょう。

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役員に対する報酬について

 今日はエイプリルフールですが、当ブログではこのような日でも嘘偽りのない確かな情報を提供致します。

内閣府大臣官房公益法人行政担当室が出した「特例民法法人における無報酬役員に対する謝金等の調査結果について」(平成22年11月16日付)という資料において、無報酬の役員に対する謝金の取り扱いが問題とされています。新しく公益法人に移行された法人に対する立入検査でも、謝金についてヒアリングがなされていることもあるようです。

 そこで、今回は、役員に対する報酬と謝金の関係について、お話したいと思います。

公益法人においては、報酬が不当に高額であってはなりません(認定法5条13号)。そのため、支給の基準を定めていることが公益認定の基準とされています(認定法5条13号)。役員の報酬を無報酬とすることは問題ありませんが、その場合、報酬等の支給基準においてその旨を定める必要があります。

 しかし、謝金という形で役員等に金銭を支払うと実質的に役員に報酬が支払われることになる場合が考えられます。例えば、法人主催のセミナー講師代金を報酬としても、他の団体との共催セミナーの講師料金について報酬とせず、別途謝金として支払をしていた場合、上記のような事態が生じえます。場合によっては、不当に高額な報酬の支払いを制限する認定法5条13号の潜脱が生じる可能性も出てきかねません。

 そこで、謝金について役員報酬規程とは別途規程を設け潜脱的に役員に不当な報酬が支払われないようにするのが望ましいでしょう。

 ちなみに、上記の内閣府公益法人行政担当室発表資料によると、「定款又は寄付行為において無報酬としている役員については、実費弁償のみとし、それ以外のいかなる名目による支払も厳に慎まれたいこと、また、役員に対価を支払う必要がある場合には、定款、寄付行為等においてはその根拠規定を整備して適切に支給することについて指導監督するよう要請」が出されています。

役員の報酬というテーマ一つをとってみても、法律と矛盾のないよう、細やかな定款、規程等の整備が必要となります。

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