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2011年6月

理事の選任と就任

 役員には選任と就任という概念があります。

選任と就任は似たイメージではありますが,役員の任期との関係ではその区別が必要となります。

 すなわち,理事の任期について一般法人法は「選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時まで」としており,「就任後」とはなっていません。そのため,任期の計算をする場合には,社員総会において選任をした時を基準とすることになります。

 

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評議員の責任

「評議員」は一般法人法にいう「役員等」には含まれていません(同法198条,111条1項括弧書き)。

しかし,財団と委任関係にあることから(一般法人法172条1項),財団に対して任務懈怠に伴う損害賠償責任を「役員等」と同様に負っています(同法198条,111条1項)。この責任については,総評議員の同意による免除は認められています(同法198条・112条)。

しかし,理事・監事などの「役員等」と異なり,評議員会による責任の一部免除理事会による一部免除責任限定契約の締結一般法人法上認められていません(同法198条・113条・114条・115条)。これはなぜかというと,役員の選解任や定款変更などを行う評議員の職務の性質上,巨額の損害賠償責任を負うケースは考えにくく,総評議員の同意による免除に加えて,これよりも軽い要件による一部免除を認める必要はないと考えられたためと説明されています。

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公益認定等審議会

公益認定については,内閣府の公益認定等委員会ほかに都道府県にそれぞれ公益認定等審議会があり,それぞれが独立して公益性を認定することとなっています。ただ,公益認定という性質上,その考え方に大きなばらつきが生じるものではありませんので公益認定等審議会の示す考え方はそれぞれ参考となります。

例えば,神奈川県公益認定等審議会が示した見解として「外郭団体等の公益認定等に関する基本的考え方」があります。

ここでは外郭団体等についての経理的・技術的基礎(認定法5条2号)の存否についての考え方を中心とした同審議会の「メッセージ」が示されています。

同メッセージの内容としては,「申請法人の組織が,たとえば自治体等からの派遣職員のみで構成され,一定期間ごとに派遣社員が入れ替わるような法人においては,仮にノウハウの承継が可能であったとしても申請法人自らに人的資源があるとは言えず,技術的能力及び経理的基礎の具備に欠如しているものと判断せざるを得ない」との記載など,外郭団体等でない法人であっても,当てはまるのではないかと思われる部分が多く勉強になります。

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移行の登記を条件とした停止条件付役員選任決議と定款案への記載

最初の代表理事につきましては,定款の附則にのせることで選任が可能とされております(FAQ問Ⅱ―3-②)。また,理事・監事につきましても,最初の理事・監事として定款の附則に記入する扱いが事実上認められております。それでは定款の附則に最初の理事・監事を載せた場合,さらに移行の登記を停止条件とした停止条件付役員選任決議(FAQ問Ⅱ―4-⑦)をする必要があるのでしょうか?この点につきましては,理論的にはより決議要件の重い定款の承認決議の中に含まれておりますので,不要とも考えられます。しかしながら,実務的に重要な点はこちら側の法律解釈というよりもむしろ定款の提出で役員の登記を登記所が受け付けてくれるか,というところにあります。ですからもしも登記所の取り扱いがはっきりしないのであれば,定款案承認の際に停止条件付の選任決議も行い,選任の結果を定款の附則に記入した旨の議事録を作成しておくべきでしょう。

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「公示」「公告」「公表」「公開」

法人法上,「公示」の主体は行政庁です。一方「公告」は各法人で行うものです。また,「公表」については,委員会が主体となることが多く,主体が法人となる定めについてはたとえば認定法20条2項に基づいた報酬基準の公表などがあります。

全て「公」という言葉が使われ紛らわしいですが,法律上これらの用語は使い分けられていますので区別が必要です。

認定法は定款について,法人での備え置きは求めていますが,現実に多くの法人で行っているHP上での公開までは,実は求めてはいません。ただ,多くの法人では自主的判断で定款をはじめとして様々な情報をHP上で公開しているということです。

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社員総会等の運営

先週の7日(火)に行いました当所主催のセミナーにはおよそ80の法人様に参加いただくことができました。お忙しい中これだけの数の法人様に集まっていただいて,非常に感謝いたします。一方で,法人様が社員総会や理事会,評議員会の運営というあまりこれまで取り上げてこなかったテーマにも興味を示しておられることを実感いたしました。

確かに申請関連の情報は移行期限も近づいてきたこともあって目に触れることが多くなってまいりましたが,その運営について触れた本や情報はあまりないのではないでしょうか。基本的には社団と財団の運営は会社法の規律を参考にしてつくられた「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」によって規律されていますので,機関の運営につきましてもこれまでの会社法実務が非常に参考になるかとは思います。しかしながら,やはり会社と一般法人・社団法人の間には営利性の有無など本質的な差異も存在しております。ですから,細かいところでは解釈が異なってきて運用面においても異なった扱いが求められてくる可能性があります。

具体例につきましては,本ブログにて順次ご紹介していきたいと思います。

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事業をまとめることのメリット 財源確保

申請にあたっての事業仕分けは,次の3段階に分類されます。
① 法人の事業を細分化する作業
② 細分化した事業をまとめる作業
③ 公益目的事業と収益事業等を分ける作業

ここで,②なのですが,申請の手引き移行認定編によりますと,「その実態や性質からその類似・関連するものは,同一の事業番号及び事業内容にまとめて記載することができる」とされています。まとめた場合のメリットといたしましては,書類作成の便宜,収支相償を満たしやすくなるなどいろいろと考えられるのですが,ここでは将来の事業を行いやすくなるという点を挙げたいと思います。

基本財産の運用益等は特定の事業の用に用いるよう使途を定めることが可能なのですが,あまりに事業を細分化してその財源として特定の運用益を結びつけてしまうと,将来運用益が変動した場合に,事業の内部でやりくりをすることが不可能となってしまい不都合が生じます。運用益が5~10年後どのようになるかはなかなか予測のつかないものです。ですからこのような不都合を避けるためにも,大きな事業のくくりを設けて複数の運用益から財源が流れ込むようにしておくことが賢明といえます。このように,事業をまとめることは将来の事業をしやすくする効果があるといえます。

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