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2011年8月

収益事業が赤字である場合の対応策

公益法人の行う収益事業が赤字である場合の対応策としてはたとえば,
(1)収益事業の収益性を上げる,
(2)収益事業を継続すること自体を見直す,
(3)公益目的事業に取り込めないか再検討する,
といったものが考えられます。

(3)については申請にあたって検討することが重要であることはもちろんのこと,認定後においても検討に値するテーマといえます。というのも認定後においても事業内容の変更認定が可能となっているからです(認定法11条)。収益事業で申請はしたが恒常的に赤字がでているという場合,公益目的事業に該当している可能性がございますので,もう一度事業の分け方を検討してみてはいかがでしょうか。

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公益認定等委員会だより(その7)

公益認定等委員会だより(その7)が今月4日に公益法人インフォメーションHPに公開されました。

内容としては,従前から引き続き東日本大震災への対応及び実績の案内を中心としていますが,公益法人,移行法人が増加し,内閣府に対して移行認定後の手続について質問を受ける機会が増えているということで,移行後の監督等についてと題して監督や立入検査の方法や移行認定後の当面の手続についてなども紹介しています。

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理事改選後の理事会招集権者

定款において理事会の招集権者を代表理事とされている場合,理事全員が任期満了で改選され代表理事がいなくなってしまったときには理事会の招集はどなたか行えばよいのでしょうか。

この点につきましては,代表理事が理事の任期満了によって辞められた場合は,新たに選定された代表理事が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有することになりますので(一般法人法79条1項,197条),辞められた元代表理事が定款に基づいて招集することで問題はございません。

もっとも社員総会ないし評議員会で新理事が選出された後,そのまま全員の同意を得て招集手続なしに理事会を開催し(一般法人法94条2項,197条)新代表理事を選任することも可能ですので,そのような手続きを踏めば招集権者が誰かの心配をする必要はなくなることになります。

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一般法人における監事会の設置の可能性

一般法人法においては,会社法の監査役会に相当すると思われます「監事会」といったものの設置を想定した条文が設けられておりません(たとえば会社法では,328条1項において大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならないとされておりますが,一般法人法で大会社に匹敵すると思われる大規模一般社団/財団法人において会計監査人の設置義務しか規定されておりません(一般法人法62条/171条)。)。
これについては,一般的にいって公益法人や一般法人は営利追求を目的とした大会社ほど目的や事業が複雑ではないため,監査役会のような組織的監査が必要な場合が想定しにくいことを理由にこれを想定した条文を設けなかったのではないかと推測できます。ただ,特に禁止を明示した条文もないのですから,任意にこれを設置することは可能であると考えます。たとえば事業が多岐にわたっていて規模も大きい場合などに各監査役の役割分担を容易にしかつ情報の共有を可能にすることにより組織的・効率的監査を行いたいといったニーズがあるときには,各監事の独立性が確保されているのであれば,可能であるものと考えられます。

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非営利性の意味

一般法人・公益法人は非営利団体と呼ばれておりますが,非営利性とは一体どういうことなのでしょうか。非営利性が関係する場面としては大きく分けて二つございます。一つは,事業年度ごとの儲けを分配する①剰余金の分配で,もう一つは残余財産を社員で山分けする②残余財産の分配です。営利法人である株式会社では①②ともに法律によって保障されています。しかし一般法人・公益法人では①は法律によって禁止されています(一般法人法11条2項,153条3項2号)。もっとも,②については,公益法人においては法律で禁止されているものの(定款において国・地方公共団体等へ贈与する旨を定めなければ認定されません,公益認定法5条17号18号),一般法人につきましては定款にあらかじめ定めることは禁止されておりますが(一般法人法11条2項,153条3項2号),いざ解散という段階になれば社員総会又は評議員の決議によって分配することは許容されています(一般法人法239条2項)。ただし,法人税法上の概念であるいわゆる「非営利性が徹底された法人」については公益法人と同じ扱いとなっておりますので注意が必要です。以上からいたしますと,非営利性とは①の禁止を基本的には意味し,これを徹底すると②まで禁止されるととらえることができると思います。

そうしますと非営利性の概念にはがあるということになりそうですが,そこには財団・社団のもつ「公益性・公共性」の強さと関係あることが想定されます。

この点につきまして法人への出資の返還につきましてその額について争われました最判平成22年4月8日(判例時報2085号90頁)が参考になります。同判決では,定款で退社時の財産に社員の出資割合を乗じた額の返還を請求できる旨の定めがあった事案において,財産の変動に果たした役割と法人の「公益性・公共性」の観点からしてあまりに多額の返還は権利の濫用として許されないと判示されています。①②が問題になった事案ではないですが,法人の財産を社員に分配することができるか否かという非営利性の問題を考える上で参考になります。

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