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2011年9月

社員総会による代表理事の選定

社団においては,代表理事は理事会において選定されることとされています(法人法90条3項 理事会を設置しない一般社団法人は除きます。)。では,理事会とは別に社員総会において代表理事を選定することを定款に定め,選定後理事会がこれを追認することは可能なのでしょうか。これにつきましては法人法上明確な規定はございません。しかしながら,社員総会は定款で定めた事項についても決議ができるとされていること(法人法35条2項),法人法35条4項は法律上の社員総会の決議事項を理事会決議事項とすることは禁止しているが理事会決議事項を社員総会の決議事項とすることは禁止していないこと,理事会の選任権限が残されているのであれば理事会による代表理事の監督権限がなくなるわけではないこと等からすれば,一般社団法人についてはこのような選定を行うことも許容されているといってよいでしょう。ただし公益社団法人においては,認定法の要件をクリアしているとの信用を与えられており税制優遇等も受けていることからして,事業を適正に行う仕組みが一般社団法人以上に求められておりますので,理事会による代表理事の監督権限を弱める可能性があるこのような選定方法は原則として望ましくはありません(「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成する際に特に留意すべき事項について」(平成20年内閣府公益認定等委員会)Ⅱ7ご参照。)。

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最初の代表理事の選定について

これから移行される法人の皆様の中には、来年又は再来年41日に登記できるよう申請の手続きを進めていらっしゃる方が少なくありません。今回は、申請の際に問題となりうる代表理事の選定について触れてみたいと思います。

申請の際に提出する定款の変更案には、最初の代表理事、会計監査人の氏名を直接記載する必要があります。

しかし、定款変更案の承認時点で代表理事がまだ選定されていないという場合も考えられます。この場合には、移行認定(移行認可)の申請にあたって定款の変更案の決議がなされていれば、申請時に代表理事の選定がなされていなくても、申請自体は可能です(FAQ問Ⅱ―3-①)。申請後に代表理事の選定等を行い、行政庁に対して役員等就任予定者の氏名等を記載した書類に代表理事を追加したものなどの必要書類を速やかに提出すれば,問題ありません。

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評議員の選任

今回は、財団の評議員会について考えてみたいと思います。

新公益法人制度において評議員会は、一般財団法人の運営がその目的から逸脱していないかを監督する重要な立場にあります。財団法人の運営の適正を確保するため、評議員に理事・監事・会計監査人の選解任権等の役員等の人事権が独占され、決算の承認、定款の変更など法人運営における重要事項の最終的意思決定権が付与されています。このような強大な権限を与えられた評議員については、その人選が重要になります。

そこで、評議員の選解任方法については、設立時定款に評議員会で変更できる旨の規定を設けなければ、以後、評議員会の決議によっても変更できません(一般法人法200条1項)。また、理事又は理事会が評議員を選解任する旨を定款に定めても効力を有しません(同法153条3項1号)。

後者については、旧民法で評議員が任意の機関にすぎず、選解任について法律の規定がなかったため、評議員を理事や理事会で選定できると寄付行為に規定している法人もいらっしゃるかと思います。その場合、定款(変更)案では規定を改める必要がありますので、注意が必要です。

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理事会決議の手続に瑕疵があった場合

これまでの民法法人において,法律上,理事会は制度化されておらず,法人が任意機関として理事会を設置することがあるにとどまっていました。
しかし,現在の法人制度の下では,理事会が法律上の機関となり(法人法60条2項),理事会決議の手続に関連して、理事会招集や決議の方法等が法定されました(93条等)。

では,上記手続に違法があった場合,決議の効力はどうなるでしょうか?
この点,会社法では,取締役会の決議の手続に瑕疵がある場合については,取消の訴えを経ることなく,誰から誰に対しても無効を主張できるものとされています。

ただし,軽微な手続上の瑕疵によっても当然に決議が無効となるわけではありません。例えば、手続上の瑕疵の一例として招集通知もれがありますが、一部の取締役に対する招集通知を欠いた場合にも,その取締役が出席してもなお決議の結果に影響がないと認めるべき特段の事情があるときは、当該瑕疵により決議は無効とならないとする判例もあります(最判昭和44年12月2日民集23巻12号2396頁)。

一般法人においても,理事会の手続に瑕疵がある場合,その理事会の決議を前提とする法律関係が不安定になると考えられますので,通知漏れ等手続的瑕疵がないようにご注意ください。

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平成23年8月末の全国申請状況

先日9月6日、市ヶ谷アルカディアにおいて、「認定・認可前ガバナンス最終チェックセミナー~定款・規程・申請書の『事業』についてのチェックと申請後の行政対応」というテーマで弊所主催のセミナーが行われました。申請の前例がまだ少ないこともあって、多くの方にご参加頂き、関心をもって聞いて頂きました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

さて、9月1日、内閣府から「【平成23年8月末】全国の申請状況」が発表されました(内閣府公益法人インフォメーション)。

これによりますと、平成20年12月1日から平成23年8月31日までの全国における申請合計件数の累積が4339法人(内都道府県2701法人)になりました。8月の申請件数(全国)は562件に上り、今までで最も多く申請がなされました。移行期限の前年度である平成24年の4月1日に登記をしようと移行手続を進める法人が理事会等を終了したことから、申請が増えたそうです(公益認定等委員会だより(その7)参照)。平成20年12月1日時点の全国の特例民法法人数が24、317法人ですので、約2万もの法人の申請が残っていることになります。

移行認定・認可における手続きの標準処理期間が4か月とされていることを考えると、今年後半の申請がますます増えそうです。早期準備、早期申請が大事です!!

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財団法人における「目的」の変更

 財団法人制度とは,一定の目的のために拠出された財産に対して法人格を与え,権利義務の主体とする制度です。従いまして,定款に示された財団の目的(設立者意思)が財団のすべての活動の準則となり評議員・評議員会も基本的にはこれに従うことになります(一般法人法200条1項ただし書き,153条1項1号ご参照)。この点で財団は定款記載の目的の変更が自由にできる社団とは大きく異なっています。

 もっとも,設立者が“評議員会の決議によって変更できる旨”を定めれば,評議員会が財団の目的を定めることもできます(一般法人法200条2項)。この場合には,社団と財団との違いが不鮮明になってきます。

 現制度は,実体が社団に近くても財団を設立するということが可能な制度となっていますが,財団の目的を評議員会で変更できる旨を定めれば,より社団に近い運営を財団において行うことが可能になります。

 しかし,社員総会による意思決定の煩雑さを避けるために財団法人を選択することは,制度の流用であって,好ましくないといえるでしょう。

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一般法人移行後の監督

一般法人に移行した場合,行政庁からの監督は公益法人と比較して緩やかになると考えられています。確かに公益法人が3年に一度程度の立ち入り検査があるのと比較して,移行法人に対しては原則として立入検査は予定されていません。

しかし,公益目的支出計画が継続している限りにおいて,その計画の進捗状況は監督の対象となります。したがって,一定の場合には立入検査が行われます。

公益認定等委員会だよりによれば,以下の場合に立ち入り検査を実施することを明示していますので,少なくともこれらの点には留意が必要となります。

     正当な理由なく公益目的支出計画に従った支出を行わない場合

     各事業年度の支出が公益目的支出計画に定めた支出に比べて著しく少ない場合

     公益目的財産残高と比較して貸借対照表の純資産が著しく少ないにもかかわらず,公益目的支出計画の変更認可を受けずに将来の公益目的支出計画の実施に支障が生じる恐れがある場合

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