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社員提案権

移行後の法人の社員・評議員は,一定の場合に社員総会・評議員会の議題の提案をすることができます。今回はこれらについて見ていきたいと思います。なお,ここでいう「一般社団法人」「一般財団法人」は公益法人も含むものとします。

1 理事会を設置していない一般社団法人
理事会を設置していない法人の社員は,各自,理事に対し,一定の事項を社員総会の目的(以下,「議題」といいます。)とすることを請求することができます(法人法43条1項)。
議題としては,例えば「理事選任の件」などが挙げられます。
議題に関する具体的提案が議案であり,例えば,「理事選任の件」という議題に対して「甲を理事に選任する件」などと内容を提案するのがこれに当たります。
理事会を設置していない一般社団法人では,議題提案の期間が限られていません。

2 理事会設置一般社団法人
理事会を設置している法人の社員は,総社員の議決権の30分の1以上の議決権を有する社員に限り,理事に対し,一定の事項を議題とすることを請求することができます(法人法43条2項前段)。
総社員の議決権の30分の1の議決権を有する社員とは,単独で30分の1以上の議決権を有する社員に限られません。複数の社員が共同で提案をする場合,合わせて30分の1になれば請求をすることができます。
例えば,60人の社員が1つずつ議決権を持っている法人で,各社員は,単独では総社員の60分の1の議決権しかないため議題の提案ができませんが,二人が共同提案すれば総社員の議決権の30分の1を有することになり,議題を提案することができるようになります。
なお,定款で30分の1を下回る割合を定めることもできます。
提案できる期間は原則として社員総会の日の6週間前までですが,定款の定めにより提案できる期間を延ばすことができます(法人法43条2項後段)。

3 一般財団法人
一般財団法人では,各評議員が,理事に対し,一定の事項を議題とすることを請求できます(法人法184条)。
提案できる期間は原則として評議員会の日の4週間前までですが,定款の定めにより提案できる期間を延ばすことができます。

4 違反の効果
議題の提案は社員の権利ですので,これを無視することは違法であり,100万円以下の過料が課されます(法人法342条10号)。

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