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月曜シリーズ 評議員と評議員会 その1 評議員による理事の監督

先日(2011年9月16日)のブログで評議員の権限と選任について触れさせていただきましたが,今回は評議員による理事の監督について,旧民法下の「評議員」と比べつつ取り上げたいと思います。

1 位置づけ
ご存じの通り,一般財団法人においては,法定機関として,評議員会及びその構成員である評議員を設置しなければなりません(法人法170条1項,178条1項)。
旧民法の下でも,任意機関として,「評議員会」及びその構成員である「評議員」という機関が各財団法人におかれていました(公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針)。

2 旧民法下の「評議員」「評議員会」
旧民法下の「評議員」「評議員会」には,理事及び監事の選任機関及び法人の重要事項の諮問機関としての役割が期待されていたものの,法律上,評議員に理事の監督のために何ができるかの規定がありませんでした。
また,評議員は理事会において選任することとされ,評議員と理事の兼任が禁止されていない(行政指導の対象となるにとどまる)など,理事からの独立性も不十分でした。

3 法人法の下での評議員及び評議員会
法人法の下では,評議員会に人事権(177条,63条,176条)が,評議員に理事の行為の差止め請求(法人法197条,88条)や代表訴訟の提起(264条2項1号等)が認められるなど,監督権限が明文化されています。
また,評議員の選解任の方法(153条1項8号,3項1号)や報酬等の額(196条)は定款に定める必要があり,理事の自由にならない点や,評議員と理事の兼任が禁止されている(173条2項)点など,理事からの独立性が図られています。

4 監督権限の強化と責任の強化
このように,現行法の下で評議員には強い監督権限と独立した地位が認められた反面,評議員が適切に監督権限を行使しない場合,法人や第三者が評議員の責任を追及することも可能となりました(法人法198条,111条1項,117条1項)。

法人のガバナンスにおいて,これまで以上に評議員の役割が重要になったといえます。

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