法人税法上の取扱

税務から見た公益法人改革(その4)

益法人の優遇税制は、寄附金優遇税制と法人税優遇という“柱”のほかにも多岐にわたるものとなっている。

えば、印紙税。
公益認定を受けた公益法人は、金銭の受取書について印紙税は当然に非課税となる。収益事業に関するものであっても課税されない。
また、一般社団法人は社員に剰余金の分配をすることができないこととされている場合にも同様となる。
一般社団法人においては定款に、剰余金を社員に分配する旨を記載しても無効とされる(11条2項)。
原則として剰余金を社員に分配することを法は予定していないが、分配が不可能というわけではないため、ここで印紙税が非課税となるかは、剰余金の分配が実態としてできるかどうかという観点から判断される。

た、公益法人はもちろんのこと、一般社団法人、一般財団法人も、定款について印紙税が課されることはない。

録免許税については、従来民法34条法人では、設立登記と、学校等の一部の不動産登記の登録免許税が非課税とされてきた。
しかし、新たに一般法人を設立する際の設立登記は6万円など、登録免許税免税とはならず、公益認定を受けて名称を変更する際の免許税は免税とされた。
そのほかに、特例民法法人の移行に伴う登記の経過措置が採られている(詳細は財務省HP)。

定資産税については、従来は、「民法第34条の法人で学術の研究を目的とするものがその目的のため直接その研究の用に供する固定資産」と「民法第34条の法人で学生又は生徒の修学を援助することを目的とするものがその目的のため設置する寄宿舎で政令で定めるものにおいて直接その用に供する家屋」のみが、非課税となっていた。
かなり限定がかかっていたことになる。
原則としてこの措置は継続され、一部拡充もされるが、一般法人に関しては平成25年度までの措置となる。

益法人がどのような活動をしているかによって、これらの租税優遇措置の意味づけは変わってくる。
事業内容をよく検討して、すべての租税負担の有無のチェックも行えればベストであるが、上記のいくつか代表的な税負担だけでも、大まかに念頭に置いて法人のあり方を吟味してみることが法人の運営者の最低限度の責任ということができるだろう。

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税務から見た公益法人改革(その2)

 公益法人となるか、一般法人となるか、そして、一般法人でも非営利型一般法人となるか、それらの選択は税務の観点からの考察が欠かせない。
以下の表を見て欲しい。

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 A、Bの二種類の公益目的事業と、Cの収益事業を行っている法人のシミュレーションである。この法人が、公益法人となると税額は6、非営利型一般法人となると税額は18、通常の一般法人となると税額は9となる。
 つまり、公益法人となれば税制上最も優遇を受けられるのは事実だが、仮に一般法人となったとして非営利型となるべきかは一概に言えないことがわかる。しかも、公益法人と通常の一般法人との税額の差は3しかなく、必ずしも公益法人が格別に有利ともいえないということもお分かりになるだろう。
 公益法人が税制上優遇されるのは、「みなし寄附金」があるからである。つまり、収益事業からの収益を公益目的事業の赤字に組み入れることができる。しかし、それだけでは収支を合算できる一般法人との差はあまりない。一般法人が赤字をそれなりに抱えている場合には、結局合算できるからである。
 どの法人形態が税制上の優遇をもっとも受けられるのかについては、シミュレーションに基づく検討が必要だといえよう。

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新公益法人制度 Q&A

Q 一般社団法人・一般財団法人のうち,法人税法上「公益法人等」に該当するものとされる「非営利型法人」とは,どのようなものをいうのですか。
 
A 「非営利型法人」とは,法人税法において定義されている用語で,その意義は,一般社団法人・一般財団法人のうち,下記の①又は②に該当するものをいいます(公益三法上にはこのような分類はありません。)。
(1) 非営利性が徹底された法人
  一般社団法人・一般財団法人のうち,その行う事業により利益を得ること又はその得た利益を分配することを目的としない法人であってその事業を運営するための組織が適正であるものとして下記の要件のすべてに該当するもの。
① 剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
② 解散したときは,残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。
③ 上記①及び②の定款の定めに違反する行為を行うことを決定し,又は行ったことがないこと。
④ 各理事について,理事とその理事の親族等である理事の合計数が,理事の総数の3分の1 以下であること。 
(2) 共益的活動を目的とする法人
公一般社団法人・一般財団法人のうち,その会員から受け入れる会費によりその会員に共通する利益を図るための事業を行う法人であってその事業を運営するための組織が適正であるものとして下記の要件のすべてに該当するもの。
① 会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。
② 定款等に会費の定めがあること。
③ 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
④ 定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
⑤ 解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと。
⑥ 上記①から⑤まで及び下記⑦の要件に該当していた期間において,特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し,又は与えたことがないこと。
⑦ 各理事について,理事とその理事の親族等である理事の合計数が,理事の総数の3分の1 以下であること。

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新公益法人制度 Q&A

Q 法人税法上,「公益法人等」に分類される場合と「普通法人」に分類される場合とで,課税上どのような違いがありますか。大きな違いを教えて下さい。

A 「普通法人」の場合は,全ての所得(所得の発生原因を問わず発生した所得の全て)に対して法人税が課税されます。
 一方「公益法人等」の場合は,法人税法で規定する「収益事業」から生じた所得に対してのみ法人税が課税されます。
 ここでいう法人税法で規定する「収益事業」とは,下記の34業種をいいます。
 「物品販売業,不動産販売業,金銭貸付業,物品貸付業,不動産貸付業,製造業,通信業,運送業,倉庫業,請負業,印刷業,出版業,写真業,席貸業,旅館業,料理店業その他飲食店業,周旋業,代理業,仲立業,問屋業,鉱業,土石採取業,浴場業,理容業,美容業,興行業,遊技所業,遊覧所業,医療保健業,技芸教授に関する業,駐車場業,信用保証業,無体財産権提供業,労働者派遣業」
 なお,上記34業種の収益事業であっても,公益社団法人・公益財団法人が行う「公益目的事業」は,上記の「収益事業」から除外されています。つまり,公益社団法人・公益財団法人が行う「公益目的事業」から生ずる所得は非課税となります。

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新公益法人制度 Q&A

Q 「一般社団法人・一般財団法人」,及び,一般社団法人・一般財団法人のうち行政庁より公益認定を受けた「公益社団法人・公益財団法人」は,法人税法上どのように取り扱われるのでしょうか。
 
A 法人税法上,下記の区分に応じ,下記のように取り扱われます。  
① 「公益社団法人・公益財団法人」は,法人税法上,「公益法人等」として取り扱われます。
 なお,「公益法人等」とは,法人税法において定義されている用語で,その意義は,法人税法別表第二に掲げる法人をいいます。同表には,「公益社団法人・公益財団法人」のほか,100余りの法人が「公益法人等」として掲げられています。  
② 「一般社団法人・一般財団法人」(行政庁より公益認定を受けていないもの)
 公益認定を受けていない「一般社団法人・一般財団法人」であるからといって,法人税法上これらの法人の全てが一律に取り扱われるわけではありません。各法人の性格に応じて下記のように取り扱われます。
 ア 法人税法上の「非営利型法人」に該当するものは,法人税法上,「公益法人等」として取り扱われます。
  なお,「非営利型法人」とは,法人税法において定義されている用語で,その意義は,一般社団法人・一般財団法人のうち法人税法上の一定の要件を満たすものをいいます。
 イ 法人税法上の「非営利型法人」に該当しないものは,法人税法上,「普通法人」として取り扱われます。
  なお,「普通法人」とは,法人税法において定義されている用語で,その意義は,公共法人,公益法人等,人格のない社団等以外の法人をいい,株式会社などがこれに当たります。

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