定款

「公示」「公告」「公表」「公開」

法人法上,「公示」の主体は行政庁です。一方「公告」は各法人で行うものです。また,「公表」については,委員会が主体となることが多く,主体が法人となる定めについてはたとえば認定法20条2項に基づいた報酬基準の公表などがあります。

全て「公」という言葉が使われ紛らわしいですが,法律上これらの用語は使い分けられていますので区別が必要です。

認定法は定款について,法人での備え置きは求めていますが,現実に多くの法人で行っているHP上での公開までは,実は求めてはいません。ただ,多くの法人では自主的判断で定款をはじめとして様々な情報をHP上で公開しているということです。

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社員総会の議事録

1.議事録作成の必要性と機能
  一般法人・公益法人に移行後の社団法人は,社員総会で議事を行った際に,議事録を作成する必要があります(法人法57条)。
社員総会の議事録とは,社員総会の議事の経過の要領や議決内容を記録した書面です。
このような議事録が作成されるのは,後で社員総会の決議の効力が争われた場合の重要な証拠となるからです。また,社員総会議事録は,一定の場合には,登記申請における添付書類ともなります。

2.議事録への署名又は記名押印の要否
  ところで,社員総会議事録について,出席理事等の署名又は記名押印が必要なのでしょうか。
  社員総会議事録の署名・押印の要否及び主体については,理事会の議事録の場合と異なり(法人法95条3項参照),規定がありません。
  これは,社員総会議事録に対する出席理事等による署名又は記名押印がなされたとしても,理事会議事録の場合とは異なり,法的な意味がない(法人法95条5項参照)ことから,規定が置かれなかったものと考えられます。
すなわち,社員総会議事録に署名や記名押印がなされるのは,その議事録の真正性を担保するためであるところ,社員総会議事録に署名や記名押印をすることで,偽造や真正性の問題が解消されるかは,理事会の場合とは異なり,程度問題にすぎないからです。
  したがって,社員総会議事録について,出席理事等の署名又は記名押印は,法律上は必要でないと考えられます。

3.新法下での対応
  このように,社員総会に出席した理事が記名押印しなかったとしても,議事録の効力には影響はないと考えられます。
  しかし,社員総会議事録が,社員総会の議事の経過の要領や議決内容を立証する証拠として重要であり,その保全の必要性が認められることからすれば,社員総会議事録に署名または記名押印がなされることが(特に法人の運営者である理事の方にとって),望ましいものといえます。
そこで,社団法人の定款において「〔社員総会の〕議長及び出席した理事は、前項の議事録に記名押印する。」などと規定し,議長や理事の記名押印を確保することが考えられます。

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理事会・評議員会の運営方法に関する定款の定めの在り方

 理事及び評議員は、その個人的能力、資質、手腕に信頼を受けて法人の運営を委任された者です(法人法64条、172条1項、民法644条)。理事会又は評議員会の協議と意見交換を確保するため、代理出席や書面等による議決権行使だけでなく(FAQ問Ⅱ-6―①)、いわゆる持ち回り決議も原則禁止となります。このような考え方と異なる定款の定めを設けた場合には、不認定又は不認可の対象ともなります。
 ただ、電話会議やテレビ会議のような方法により、出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分な議論ができるという環境があれば、議決権の行使は、有効な議決権の行使となります(施行規則15条3項1号かっこ書き、60条3項1号かっこ書き参照)。
また、理事会一般社団法人及び一般財団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案について理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、原則として当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます(法人法96条)。評議員会の場合、定款の定めを設けることなく全員同意による決議の省略も可能です(法人法194条1項)。
 これにより、例えば、理事(評議員)が電子メールで他の理事(評議員)に対して議題を提案し、理事(評議員)全員から提案理事(評議員)宛に同意の電子メールが返信され、監事に異議がないことを確認したうえで、理事会(評議員)決議の議事録を作成して理事会(評議員会)決議を行うといった方法も可能となります。

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社員総会等における理事の選任方法

 社員総会において,複数の理事を選任する場合において,その選任議案を採決する際には,
 1)理事の選任議案を社員総会または評議員会(以下,「社員総会等」と言います。)で一括で決議する方法,
2)理事の選任議案を各々決議する方法
が考えられます。
 ガバナンスの観点からは,本来,1人1人の理事の選解任ごとに賛成又は反対の表明をすることができるべきであって,全議案についてすべて賛成かすべて反対かという投票を強制することは望ましくなく,候補者ごとに決議する方法を採るような形にするべきです。
 そこで,法人法のもとでは,定款において,社員総会等の議事の運営方法に関する定めとして,「理事の選任議案の決議に際し候補者を一括して採決(決議)すること」を一般的に許容する旨の定めを設けることは許されないものと考えられています(「移行認定のための「定款の変更の案」作成のご案内」10頁注9,同40頁注12)。
 かかる定めが定款に置かれていることは,移行認定・認可における定款審査で不認定・不認可の対象とされていますので注意が必要です。

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法人の実態に即した定款が必要です(公益社団法人)

 特例民法法人が、公益法人への移行認定の申請を行うためには、添付書類として「定款の変更の案」を作成しなければなりません(整備法103条2項2号)。
 定款作成の際、内閣府のモデル案が参考となります(公益法人行政情報公式サイトhttps://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/common/portal.do)が、形式的にこれをなぞらえればよいというわけではなく、公益認定後さらに定款を変更する必要がないように法人の実態に合わせた定款を作成する必要があります。なぜなら、公益認定を受けた後、公益目的事業の種類又は内容の変更(軽微な変更を除く。)などに係る定款の変更をしようとするときには、変更の認定を行政庁から受けなければならず、それ以外の定款の変更についても、行政庁に届出をしなければならず、二度手間になってしまうからです(認定法11条1項、13条1項3号)。

 法律の規定と法人の実態の間に違いがある場合における、定款作成の留意点として以下の①~④があげられます。

①  法人法の名称とは異なる通称名や略称を定款に使用する場合

  例えば、社員総会を「総会」と表記するような場合、「法律上の名称」と定款で使用する名称がどのような関係にあるのかを、定款上、明確にする必要があります(留意事項Ⅱ2)。

<例>
 第11条 総会は、すべての社員をもって構成する。
2 前項の総会をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員総会とする。

② 代表権者以外の者に対して権限を有するかのような名称を付する場合

  代表権のない者(代表権を有しない理事を含む)に対し、「理事長」など法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、法人が表見代表ないし表見代理の責任を負う可能性があります(法人法82条、民法110条等)(留意事項Ⅱ1)。

③ 役員以外の者に対して権限を有するかのような名称を付する場合
 

  公益法人において、役員(理事及び監事)以外の者に対して、法律上の権限はないが、権限を有するかのような誤解を生じさせる名称(役職)を付す場合には、原則として、定款にその名称、定数、権限及び名称を付与する機関(社員総会、理事会など)についての定めを設けることが望ましいでしょう(留意事項Ⅱ1)。

<例>
 第*条 この法人に、任意の機関として、1名以上3名以下の相談役を置く。
 2 相談役は、次の職務を行う。
(1) 代表理事の相談に応じること
(2) 理事会から諮問された事項について参考意見を述べること
3 相談役の選任及び解任は、理事会において決議する。
4 相談役の報酬は、無償とする。

④ 代表理事の選定に社員総会を関与させる場合

  公益社団法人において、理事会のみで代表理事の選定等を行うこととせず、代表理事の選定等の過程に社員総会を関与させることとする場合には、理事会によるガバナンスの確保を図ることとした法人法の趣旨を踏まえ、理事会の法定の権限である代表理事の選定及び解職権限を実効的に担保することができる内容の定款の定めを設けることが望ましいでしょう(留意事項Ⅱ7)。

(「移行認定のための「定款の変更の案」作成の案内」参照)

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財団のガバナンス~評議員の選任・解任(概要と定款について)

1 評議員の選任・解任方法は定款で定める

 評議員の選任方法及び解任方法については、任意に定款で定めることができます(必要的記載事項・一般法人法153条1項8号)。
 ただし、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任する旨を定款で定めることはできません(同法同条3項1号)。
 これは、評議員が適正な法人運営を確保するために業務執行を監督する機関であることから、その選任・解任については、監督される側の業務執行機関(理事・理事会)の意思ではなく、設立者の意思に委ねることとする趣旨です。

2 人選が偏らないような定款の定め方が必要

 ガバナンスにおいては、人選非常に重要な要素です。したがって、この評議員の選任方法及び解任方法を定款に定めるにあたっては、当該法人と相互に密接な関係にある者ばかりが評議員に選任されることがないような方法をとらなければなりません。
 「移行認定又は移行認可の申請に当たって定款の変更の案を作成するに際し特に留意すべき事項について(平成20年10月10日内閣府公益認定等委員会)」においては、
 ①「評議員の構成を公益法人認定法第5条第10号及び11号に準じたものにする」旨を 定める方法、
 ②評議員の選任及び解任をするための任意の機関として、中立的な立場にあるものが参加する機関を設置し、この期間の決定に従って評議員を選任及び解任する方法
 などが望ましいとされています。

3 維持審査で実態が審査される

 また、「留意事項」においては、これら①②の方法を選択したとしても、実際に選任された評議員の構成が特定の団体や勢力に対し特別の利益が与えられるおそれが高いものと認められる場合には、監督の対象となりうるとしています。
 つまり、認定後、1~3年後から始まる維持審査において、単に定款にどう定めているかのみならず、実際にどういう人選がなされたかという実態にまで審査が及ぶということです。その際には、当然、人選の点のみならず、評議員会が実際にどのように運営されているかという点(評議員の出席状況や、評議員への情報の伝達状況)なども審査されるはずです。

 公益財団法人は、いくら形式を整えても、実態が伴わなければ、維持審査で問題視され、最終的には認定取消しのおそれまで生じかねないことをよく理解しておく必要があります。

 次回は、申請段階における評議員選任のスケジュールについて述べたいと思います。

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〔鳥飼総合法律事務所〕公益法人・一般法人向け無料セミナーを開催いたします(ガバナンス視点の申請)

 12月7日から東京・埼玉の各会場でガバナンス視点の申請をテーマに無料セミナーを順次開催いたします。(12月7日東京会場は満員のため申込受付を終了いたしました)

 新公益法人制度は、公益法人・一般法人が真に社会から期待され尊敬される存在となるチャンスです。
 移行申請に潜んでいるガバナンス不在による様々な法的リスクを認定・認可後に顕在化させないために申請段階から意識をしておかなければならないこととは何かについて、わかりやすくご説明いたします。

 ご興味をお持ちの方は、鳥飼総合法律事務所公益法人移行申請ホームページからお申込みください。
http://kouekihoujin-santa.jp/contact/

【テーマ】

『 移行認定・認可申請にも必要なガバナンス視点 』
~申請後に泣かないようにするために~

【セミナー内容(予定)】

1 社会から尊敬される公益法人・一般法人への道
    監督型運営から自律的経営へ
2 移行申請に潜むガバナンス不在による“見えないリスク”
(1)不認定・不認可のリスク
(2)認定・認可後の取消等のリスク
(3)課税庁による更正処分等のリスク
(4)理事等の役員の法的責任・代表訴訟による責任追及のリスク
3 手遅れにならないため、移行申請前から準備が必要なガバナンス
4 手遅れにならないための移行申請の進め方とは?

【特典】

セミナー当日、各参加団体(法人・事務所等)ごとに、本2冊進呈いたします。

新公益法人制度における公益認定と役員の責任 
    鳥飼総合法律事務所所長弁護士 鳥飼重和編著  商事法務

公益認定に迷わないためのガイドライン
    鳥飼総合法律事務所所長弁護士 鳥飼重和編著  商事法務

【日程・会場】

東 京 会 場
2010年12月7日(火) (12月7日は満員のため申込受付を終了いたしました)
 13:30~16:30(13:15受付開始)アルカディア市ヶ谷 7階
2011年1月13日(木)
 13:30~16:30(13:15受付開始)アルカディア市ヶ谷 4階

埼 玉 会 場 (埼玉りそな銀行共催)
2010年12月14日(火)
 13:30~16:30(13:15受付開始)埼玉りそな銀行さいたま営業部(本店) 2階大会議室
2011年1月14日(金)
 13:30~16:30(13:15受付開始)埼玉りそな銀行さいたま営業部(本店) 2階大会議室

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新公益法人制度 Q&A

Q;定款作成で気をつけるべき点は何ですか。

A;定款は,ただ形式的に作ればよいというものではありません。自分の団体は何のためにあるのか,どのような事業をしているのか,構成員は誰なのか,誰が運営の主体なのか,団体の収支や運営費用はどうなっているのかなどの実態に即して作っていく必要があります。そこで,特に,①法人の目的(公益目的),②事業内容,③役員や社員の構成,④理事会,社員総会等の機関構成の点に十分留意する必要があります。

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新公益法人制度 Q&A

Q;定款を考えてみようと思うのですが,雛形のようなものはありませんか。

A;内閣府では,移行認定のための「定款の変更の案」作成の案内を配布しています(公益法人行政情報公式サイトhttps://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/common/portal.do)。それを参考にするとよいでしょう。もっとも,定款の案にはさまざまな規定が記載されていますが,団体の根幹にかかわるものとそうでないものとの温度差がかなりあります。何が団体の根幹にかかわるかは,それはそれぞれの団体の実態によって重みが違う場合もありますので,自らの団体の実態をよく吟味して検討する必要があります。

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新公益法人制度 Q&A

Q;公益法人に移行しようと思うのですが,まず何をすればよいのでしょうか。

A;まずは,定款を考えてみると早いと考えられます。といいますのは,定款が,公益法人認定に不可欠な書類であるからというのはもちろんですが,定款の作成過程において,貴法人の団体としての性格や,事業の内容,内部の業務構造などを調査したり,明確に意識したりすることになりますので,自らの団体の実態把握をすることができるようになるからです。この実態把握が移行申請でのカギとなります。

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