申請手続

申請の悩み解消~よくある疑問に答えます⑧~

(疑問)
私どもの社団は、公益社団法人への移行に向け、申立書を作成しています。
その中で、特定費用準備資金への繰入れを検討しているのですが、繰入れが認められる要件の1つ「積立限度額が合理的に算定されていること」というのが、どういうことかわかりません。

(答え)
特定費用準備資金とは、将来、『特定の』事業費や管理費として支出するために、積み立てる資金のことです。
将来の特定の事業には、例えば、新規事業の開始、既存事業の拡大、何周年のイベント、などが考えられます。

したがって、『特定の事業』との結びつきがなく、単に「将来なにかあったときのための積立て」などの場合は、特定費用準備資金とは認められません。

では、特定費用準備資金の積立限度額が「合理的に算定されている」とは、どういうことでしょうか。

法人が、特定費用準備資金を検討する前提には、『特定の』事業として計画されている事業があるはずです。
したがって、その特定の事業を行なうにはいくら必要なのか、当該法人の規模などからしてどのくらいの期間・いくら積み立てれば実現できるのか、などが、合理的に説明できるのであれば、「積立限度額が合理的に算定されている」と判断されるものと考えられます。

なお、「合理的な説明」のための材料としては、次のようなものがあげられるでしょう。
★過去に同種の事業やイベントなどを行なったことがあれば、その時に実際にかかった費用
★特定の事業に必要な費用の内訳の詳細  など

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申請の悩み解消~よくある疑問に答えます⑦~

(疑問)
私どもの特例社団法人は、公益社団法人への移行を検討中です。
申請の準備として、定款の変更案を検討しているところですが、公開されている書籍などを見ると、いろいろな規程も作成する必要がありそうです。
どういう規程を作成すればよいのでしょうか。
また、現在も内部規程がいくつかありますが、それはそのまま使えますか。

(答え)
一般法人、公益法人のどちらへ移行するとしても、申請のためには、定款の変更の案を作成する必要があります。
この定款変更案の作成に関連して、検討を要するのが、各種の規程です。

定款の変更案の条項には、「別に定める」とするものがあります。
こうした「別に定める」となっているものについては、「規程」「規定」「細則」などで定めるのが一般的です。

なお、公益法人への移行認定申請においては、
理事・監事及び評議員に対する報酬等の支給の基準を記載した書類
の提出が求められていますし、
該当する法人は、
会員等の位置づけ及び会費に関する細則
寄附の使途の特定の内容がわかる書類
の提出が求められています。

このように、申請の添付書類としての提出が求められているものについて、それらを、「規程」「規定」「細則」で定めることが多く行なわれるでしょう。

したがって、まずは、定款の変更案において、「別に定める」としているものについて検討しましょう。

その際、従前の内部規程がそのまま使えるとは限りません。
まずは、定款の変更の案うあ一般法人法などの法令に、内部規程が合致しているかどうかを、きちんとチェックしましょう。
合致していなければ、当然、定款の変更にあわせた規程の改訂が必要になります。

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申請の悩み解消~よくある疑問に答えます⑤~

(疑問)
私どもは財団法人で、準備が出来次第、公益法人への移行認定の申請を行う予定です。
現在、財団には「評議員」がいますが、移行認定を行うにあたり、「評議員」は新しく選ばなければなりませんか。
その場合、どういう選任方法にすればいいのでしょうか。

(答え)
従来の財団法人でも、寄附行為で「評議員」の定めを置き、選任しているところが多くあります。

しかし、従来の財団法人における「評議員」は、法律で定められた役員ではありませんでした。
そのため、従来の財団法人が独自に定めていたものに過ぎなかったのです。

ところが、新しい公益法人制度は、「評議員」の権限を法律で定め、財団法人に必ず設置しなければならない機関である、としました。

では、特例財団法人にいま存在する「評議員」は、新しい制度上の「評議員」となれるかというと、そうではありません。
新しい制度は、新しく「評議員」を選任しなければならないとしています。

そのため、一般法人への移行認可を申請するか、公益法人への移行認定を申請するかを問わず、どの特例財団法人も、新しい制度上の「評議員」を選任する必要があります。

新制度の「評議員」は、財団法人の運営が目的から離れていないかを監督するという、重要な立場にあります。
そのため、特定の団体や特定の勢力の関係者だけで占められることのないようにしなければなりません。

そこで、法律(整備法92条)は、評議員の選任方法について、旧主務官庁のチェックを要することとしています。

特に公益法人への移行認可を予定する特例財団法人は、評議員の選任方法を決めるときには、配慮が必要です。
例えば、評議員の選任のため任意の機関を新しく作り(「評議員選定委員会」など)、中立的な立場の人たちをその機関の委員とするなど、望ましい方法が公表されています(参考:FAQ問Ⅱ-1-⑤、Ⅱ-2-①)。

なお、評議員の人数は、最少でも3人と定められています。
法律上、人数の上限はありませんが、財団法人の実態に合った、前述のような役割をきちんと果たせるような適切な人数を、評議員として選任することが大切です。

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申請の悩み解消~よくある疑問に答えます③~

(疑問)
当社団法人には、現在、「会員」「準会員」「賛助会員」がいます。
こうした名称は、公益法人に移行しても、引き続き使うことができますか。
移行申請に必要な定款変更案にも、こうした名称を使ってよいのでしょうか。

(答え)
法律(一般法人法)上、社団法人の構成員については、「社員」という名称が使われています。
「社員」には、個人だけではなく、法人、団体もなることができます。

ただ、社団法人の構成員を表す名称は、法律上の名称である「社員」に限りません。
つまり、他の名称を使うことも、他の名称を定款で使用することも、認められているのです。
したがって、公益法人への移行後も、「会員」「準会員」などの名称を使うことができます。

ただし、次の点に注意が必要です。

法律上の名称と”異なる”名称を使うということは、その異なる名称の者は「法律上のどの名称の者のことを指しているのか」が、外から見てわからないということです。
これでは、外部の人は困ってしまいます。

そこで、「法律上の名称」と「定款で使用する名称」が異なる場合には、定款で使用する名称が、法律上の名称とどういう関係にあるのかを、定款に明記することが必要とされています。

それでは、「会員」「準会員」「賛助会員」がいるという質問の法人の場合はどうでしょう。
この場合、定款変更案の作成にあたっては、こうした名称を使うことはできますが、「法律上の社員にあたるのはどの名称の会員なのか」を明確に記載することが求められます。

<参考>
定款作成にあたっては、次の資料が参考になります。
 内閣府「移行認定のための『定款の変更の案』作成の案内」
この資料は、「公益法人information」というサイトから、ダウンロードすることができます。

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申請の悩み解消~よくある疑問に答えます②~

(疑問)
当法人は、平成24年7月1日から、新公益法人として活動をスタートしたいと考えています。
公益認定の時期について、当法人の希望を汲んでもらえるのでしょうか。
また、そのためには、申請書を提出する時期は、いつがよいでしょうか。

(答え)
公益認定は、公益認定等委員会、もしくは都道府県の合議制の機関における実質的な公益性の審査を経て、内閣総理大臣、もしくは都道府県知事により、出されるものです。
認定の日や時期について法人の希望を汲むかどうかなどについては、法律上、何も定めがありません。
したがって、公益認定の時期は法人の希望を汲んで決められるものではない、と考えるべきでしょう。

また、公益認定等委員会での移行認定申請の審査の所用日数は、平均で122.4日となっています。
この日数は、公益認定等委員会が審査の迅速化に取り組み始めた、平成21年9月以降の申請に限ったものです。
(公益認定等委員会事務局『公益認定等委員会だより(その3)』平成22年3月末現在の統計より)

この日数は平均値ですので、これより短い日数で認定が出るところもあれば、長くかかるところもあります。
実際は、これらの日数や、法人の事業内容の複雑さなど、様々なことを考慮して、申請書の提出時期を決めていくことになろうかと思います。

ただ、新しいスタートの時期が一定の日を過ぎないようにしたい、というような事情があるのであれば、審査がスムーズに進むように申請書の記載を明確にしたり、添付資料を積極的につけたり、日数的に余裕を持って申請を行うなども、検討するとよいでしょう。

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申請の悩み解消~よくある疑問に答えます~

(疑問)
公益法人への移行を考えている社団法人です。
当法人は、東京に本部があり、全国に4か所の支部があります。
この支部も、公益法人となることができますか?

(答え) 
「○○社団法人△△支部」という名称が付いていても、その実態は、法人ごとに異なります。
例えば、運営・会計の全ての面で本部の指揮下にある支部から、支部とは名ばかりで本部から完全に独立した外殻団体のようなものまで、その実態は様々です。

公益法人への移行申請は、1つの法人ごとに行うこととされています。
そのため、公益認定基準の該当性の判断も、1つの法人ごとに行います。

この「1つの法人」とは、名称などの形式で判断されるのではなく、実態で判断されます。
実態とは、「本部と支部の事業・経理が、一体かどうか」ということです。

「本部・支部全体で1つの法人なので、このまま1つの公益法人になりたい」と考えたとします。
さて、どのように考えればいいでしょうか。

前述のとおり、支部と名前が付いているから本部と一体だ!ときめ打ちはできません。
そこで、まず、実態を把握するために、本部と支部の事業・経理の現状を把握してみましょう。
ここで、「1つの法人」と言えるかをチェックします。

この段階でつまづいてしまったら、これを機会に、本部・支部の実態を見直すことが必要です。
その上で、1つの法人としての公益認定基準の検討に入ります。

では、支部の事業・経理が本部と一体であるという実態がないが、実態を見直すことも困難だとします。
それでも支部を公益法人としたいのであれば、支部を本部と切り離した独立した法人とすることも検討せざるを得ないでしょう。

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特例民法法人の申請までのスケジュール 10

T理事
「それでは、公益法人へ移行しよう!と理事たちで決めたとします。次はどうすればいいのですか?」

S弁護士
「役員などの機関をどうするのかを検討します。社団法人であれば理事会、財団法人であれば評議員会には、移行後は、委任状を提出した代理出席は認められません。したがって、数多くの理事がいる法人で、これまで代理出席による理事会を開催していたとすると、今後は、例えば、理事に必ずご出席いただくか、単純に理事の人数を減らして出席できる方のみにする、などの対策をとらないと、理事会そのものが開催できなくなってしまいます。」

T理事
「そうした内部の変更は、すぐにできるばあいだけではないかもしれません。」

S弁護士
「そうですね。法人それぞれの内部の問題ですから、ガバナンスを整備するのにどのくらい時間がかかるのかも、法人によって異なりますね。
それから、定款も変更することが必要ですので、その変更案を検討します。定款の変更の際は、内閣府が作成した『定款の変更の案 作成の案内』を、公益法人インフォメーションのホームページからダウンロードして使うと参考になりますよ。
また、定款には、法人の目的等を書きますので、最初に法人の基本的な姿勢を理事の皆様で話し合っておくことは、この検討の際にも生きてきますね。」

T理事
「なるほど。枝葉ではなく幹を重視すること、つまり、法人の目指すビジョンをまずはきちんと持つことが、後々にも有効ということですね。」

S弁護士
「そうだと思います。
そして、申請に向けて必要な書類は何か、それは誰が作成するのかという、法人内部の役割分担を定めるといいでしょう。申請に必要な書類も、公益法人インフォメーションに掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。」

T理事
「いろいろお話を聞いて、心配が薄れてきたように思います。早速、他の理事たちと検討してみます。ありがとうございました。」

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特例民法法人の申請までのスケジュール 9

T理事
「申請のときには、今後の事業計画を示すことになるわけですね。」

S弁護士
「そうです。法人が、今後、『誰に、どういう利益を生もうとしているのか』つまり、経営の視点からみれば、『法人の事業を継続させていくのに役立つのは、公益法人か一般法人か』ということを、まずは確認することが、結局は、公益認定基準を満たすかどうかを検討する場合にも、関わってくるのです。」

T理事
「公益認定基準にあてはめて、必要な項目に該当するのであれば、移行認定の申請をしてしまえばいい、というものではないのですか?」

S弁護士
「確かに、そのような法人もいらっしゃるかもしれません。
ただ、現状のままでも公益認定基準を全部満たすという法人は、どのくらいあるでしょうか。おそらく、多くの法人では、いざ公益認定基準を満たすかどうかを検討することになったら、いくつかは基準にあわないものが出てくることでしょう。そうなったときに、理事の皆様が、この法人をどうしたいのかという方向性が見えていないと、どのように改善するのかについても、話し合いが困難になることは、想像いただけるのではないでしょうか。」

T理事
「かなり、経営的な話ですね。」

S弁護士
「そうですね。一般法人、公益法人になった場合には、ガバナンスなども会社法とほぼ同様の規定が置かれ、法人の自治も要求されています。これまでのように、主務官庁に聞いてそのとおりにしていればいい、という時代ではなくなります。したがって、まずは法人の経営者である理事の皆様が、経営者の視点で、法人の将来像を描くことが重要なのです。」

T理事
「なるほど。そうした検討をした上で、公益法人となることは法人の将来像に合わないと思ったら・・・」

S弁護士
「その場合には、一般法人への移行を検討することになるでしょう。
もちろん、ここで最終決定してください、という意味ではありませんよ。何からはじめるか迷っているのであれば、まず方向性を決めることからスタートするのが有益だということです。」

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特例民法法人の申請までのスケジュール 8

T理事
「それでは、公益法人へ移行しよう!と理事たちで決めたとします。次はどうすればいいのですか?」

S弁護士
「役員などの機関をどうするのかを検討します。社団法人であれば理事会、財団法人であれば評議員会には、移行後は、委任状を提出した代理出席は認められません。したがって、数多くの理事がいる法人で、これまで代理出席による理事会を開催していたとすると、今後は、例えば、理事に必ずご出席いただくか、単純に理事の人数を減らして出席できる方のみにする、などの対策をとらないと、理事会そのものが開催できなくなってしまいます。」

T理事
「そうした内部の変更は、すぐにできるばあいだけではないかもしれません。」

S弁護士
「そうですね。法人それぞれの内部の問題ですから、ガバナンスを整備するのにどのくらい時間がかかるのかも、法人によって異なりますね。
それから、定款も変更することが必要ですので、その変更案を検討します。定款の変更の際は、内閣府が作成した『定款の変更の案 作成の案内』を、公益法人インフォメーションのホームページからダウンロードして使うと参考になりますよ。
また、定款には、法人の目的等を書きますので、最初に法人の基本的な姿勢を理事の皆様で話し合っておくことは、この検討の際にも生きてきますね。」

T理事
「なるほど。枝葉ではなく幹を重視すること、つまり、法人の目指すビジョンをまずはきちんと持つことが、後々にも有効ということですね。」

S弁護士
「そうだと思います。
そして、申請に向けて必要な書類は何か、それは誰が作成するのかという、法人内部の役割分担を定めるといいでしょう。申請に必要な書類も、公益法人インフォメーションに掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。」

T理事
「いろいろお話を聞いて、心配が薄れてきたように思います。早速、他の理事たちと検討してみます。ありがとうございました。」

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特例民法法人の申請までのスケジュール 7

T理事
「その、内閣府の『よくある質問』ってなんですか?」

S弁護士
「内閣府の『公益法人インフォメーション』というホームページがあることは、以前お話ししましたね。」

T理事
「はい、聞きました。」

S弁護士
「この『公益法人インフォメーション』には、『よくある質問(FAQ)』というコーナーがあります。ここで、公益法人からよく出される質問と、それに対する回答を公開しているのです。」

T理事
「そうですか!それは便利ですね。
ところで、ようやく出した申請書に不備があったとしたら、それだけで申請がダメになりますか?」

S弁護士
「ダメにはなりません。不備と言ってもいろいろなケースがあります。まず、申請書類の記載事項を全部書いていないとか、添付しなければならない書類を添付し忘れたりなどは、形式的なミスです。そういう場合には、申請をした行政庁から、補正を求められることがあります。」

T理事
「なるほど。ただのミスの場合には、それを直す機会をいただけるのですね。」

S弁護士
「そうです。それから、申請書の記載事項は書いてあるけれども、何を書いているのかがわからなくて、審査が困難であるという場合も考えられます。そうした場合には、行政庁から、追加資料を出すように指導されたり、申請書を明瞭に書き換えて差し替えるようにとの指導も、行われるようです。」

T理事
「そうした場合も、門前払いはされないのですね。安心しました。」

S弁護士
「ただ、行政庁も、何件もの申請を抱えているわけで、指導などが入ると、それだけ審理が長引く可能性があります。審査がスムーズに進むことは、法人にとってもありがたいですよね。そこで、申請書を作成するときには、適宜、専門家へ相談するなどして、なるべく記載漏れなどがないように、わかりやすく書くことを心がけるとよいでしょう。」

T理事
「そういう心がけが、行政庁から早く公益認定の判断をいただくことにもつながるのですね。」

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