社員総会

社員総会決議の瑕疵について

 6月は株主総会の時期です。数日前、東京駅付近の本屋さんに立ち寄ったら、株主総会の本がいくつも平積みになっていました。動議の扱いや質疑応答等は当日における運営の問題なので、総会当日の運営を気になされて、ハウツー本を購入されている担当者の方が多いのではないかと思います。

今後は社団法人の方も、このようなハウツー本や弁護士による総会指導が必要になるかもしれません。

 新しい公益法人制度下では、社団法人の社員総会について会社法と同等の細かい規定が置かれています(一般法人法35条~59条)。また、社員総会決議の不存在・無効確認の訴え、取消の訴えも規定され、社員総会に瑕疵があった場合に決議が取り消されるおそれが生じました(一般法人法265条、266条)。

 社員総会の決議事項が取り消されると、以下の不利益が生じえます。
一般法人法上、役員の選任や定款変更については、社員総会で決めなければなりません(一般法人法63条、146条)。社員総会決議が取り消されると、決議は遡って無効となるので、これらの事項について社員総会の決議がないことになります。つまり、役員の選任や定款変更が次の総会で決議を得るまで行えないことになります。

 総会の取消事由には、招集手続の法令違反、決議方法の法令違反、決議方法の著しい不公正があります。会社法上、総会当日の運営により決議方法の法令違反の代表例として、説明義務違反、質疑打切の違法、動議処理の違法が挙げられます。法人の総会について前例はないのですが、この点について会社法と異なる解釈をする理由はなく、社員総会についても同じ事由が決議取消事由になると考えられます。

 このように、社員総会について、株主総会と同様の点に留意する必要がありますが、全く会社法と同じというわけではありません。議決権行使の問題等、社員総会特有の問題もあります。この点については、後日触れたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

公益社団法人における社員総会開催の留意点

公益法人インフォメーションHP上で5月2日、平成23年4月末全国の申請状況が発表されました。これによると、特例民法法人から公益社団法人に移行された法人数は、2011年3月、4月で大きく増加しており、処分件数が2011年2月には951件だったのが、3月には2129件、4月2309件になっています。

これに伴い、今年6月に社員総会を初めて開催される法人様は多いでしょう。また、今後公益社団法人に移行される法人様にとっても社員総会を滞りなく開催することは気になるところかもしれません。

そこで、今回は、社員総会運営における留意点について、何点かあげていきたいと思います。

     公益社団法人においては、社員総会における意思決定に偏りが出ることを防止するため、社員資格の得喪に関する事項や議決権の数等について不当に差別的な取扱いをすることを禁止するとともに、資力を有する一部の社員によって社員総会の運営が恣意的になされるのを防止するため、法人に提供した財産の価額に応じて議決権の数や講師の条件等に差異を設けることは禁止されています(認定法5条14号イ、ロ)。

     社員総会の運営については、理事会とは異なり、代理人による議決権行使(法人法50条)、書面による議決権行使(法人法38条1項3号)、電磁的方法(電子メール)による議決権行使(法人法38条1項4号)が認められています。公益社団法人の場合、社員に提供しなければならない①招集通知、②参考書類、議決権行使書面、③計算書類、事業報告、監査報告及び会計監査報告について、所定の要件を満たす場合、電磁的方法で提供することができます。

社員総会について詳細なポイントを聞きたい方は、是非、鳥飼総合法律事務所のミニセミナー(5月18日、5月20日開催予定)にご参加下さい!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東北地方太平洋沖地震の影響に伴う社員総会の開催時期について

 東北地方太平洋沖地震の影響に伴う社員総会の開催時期に関して,先日も当ブログでお知らせしました。

 その後,法務省のホームページにおいて,会社法における「定時株主総会の開催時期に関する定款の定めについて」とのお知らせが掲載されています。

 同ページでは,特定の時期に定時株主総会を開催すべき旨の定款の定めがあったとしても,そのような定めは「通常,天災等のような極めて特殊な事情によりその時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合にまで形式的・画一的に適用してその時期に定時株主総会を開催しなければならないものとする趣旨ではない」とされています。
 定款に社員総会の開催時期が規定されている場合についても,同様に考えられます。
 上記法務省の見解を前提とした場合には,事業年度の終了後一定の時期に定時社員総会を開催すれば足り,その時期が定款所定の時期よりも後になったとしても,定款に違反することにはならない,と解することができます。

(参考:定時株主総会の開催時期に関する定款の定めについて(法務省サイト内)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/saigai0012.html )

| | コメント (0) | トラックバック (0)

当初予定した時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じている場合の株主総会の開催時期について

東北地方太平洋沖地震のため,予定していた社員総会を開催することができない状況におかれてしまわれている法人もあるかと思われます。

株式会社における株主総会に関するものではありますが,一般法人及び公益法人における社員総会の開催についても参考となる見解を法務省がHP上に掲載しておりますのでご紹介いたします。

定時株主総会の開催時期に関する法務省の見解
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/saigai0011.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

社員総会成立のための定足数について

定足数の定めについて,一般法人法,認定法には特に定めはありません。では,これを自由に定めることは許されるでしょうか?

この点,会社においては,株主総会の定足数を定款で定めないことが多くあります。

一方,一般・公益法人においては,内閣府公益認定等委員会では「社員総会の成立要件と普通決議の決議要件というのは,原則は2分の1」,「社員総会の定足数について,法人の実情に応じて,実態を踏まえた定足数の定めを設けることが可能」(第37回議事録)などとされていました。

しかし,実際上,現在公益法人においても定款において定足数の定めが必須とはされていません。

よって,社員総会の開催が毎年度要求される新制度下においては,その定めを必要とする理由が特にないならば,その成立の定足数については定めない方が無難であるということができます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

社員総会等における理事の選任方法

 社員総会において,複数の理事を選任する場合において,その選任議案を採決する際には,
 1)理事の選任議案を社員総会または評議員会(以下,「社員総会等」と言います。)で一括で決議する方法,
2)理事の選任議案を各々決議する方法
が考えられます。
 ガバナンスの観点からは,本来,1人1人の理事の選解任ごとに賛成又は反対の表明をすることができるべきであって,全議案についてすべて賛成かすべて反対かという投票を強制することは望ましくなく,候補者ごとに決議する方法を採るような形にするべきです。
 そこで,法人法のもとでは,定款において,社員総会等の議事の運営方法に関する定めとして,「理事の選任議案の決議に際し候補者を一括して採決(決議)すること」を一般的に許容する旨の定めを設けることは許されないものと考えられています(「移行認定のための「定款の変更の案」作成のご案内」10頁注9,同40頁注12)。
 かかる定めが定款に置かれていることは,移行認定・認可における定款審査で不認定・不認可の対象とされていますので注意が必要です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新公益法人制度 Q&A

Q 社員総会を開催するにあたっての手続を教えてください。

A 招集にあたっては、まずは理事(理事会設置会社においては理事会)が、社員総会についての必要事項を決定します。
そして、各社員に対し、社員総会についての通知をしなければなりません。
この招集通知は、原則として社員総会の日の1週間前までに発送する必要があります。もっとも、理事会を設置しない一般社団法人では定款によりこの機関を短縮することが可能です。
通知の方法は、理事会設置会社では原則として書面によるべきとされてい、ますので、注意が必要です。
 招集通知には、参考書類などの書面を交付しなければならないことがありますので、この点も確認をした方が良いでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新公益法人制度 Q&A

Q 社員総会とは、どのようなことをする機関なのですか。権限の内容を教えてください。

A 社員総会の権限は、理事会を設置しない場合と設置する場合とで異なります。
理事会を設置しない場合、社員総会は、法に定める事項及び一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができます。つまり、社員総会は何についても決議をすることができる万能な機関ということになるのです。
 これに対し、理事会を設置する場合は、一般法人法で定められている事項についてのみ決議をすることができます。理事会を設置する一般社団法人は社員が多数になることが想定されるため、そのような場合に業務の全てについて社員総会を開催するのは煩雑です。そこで機動性を確保するため、基本的な業務執行の意思決定は理事会が行うこととしたのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)