財務・会計

基本財産について

基本財産を定款に定めなければいけないと考えていらっしゃる方が少なくないようです。

基本財産とは、目的事業にとって不可欠な財産として定款で定める財産をいいます。新制度においては、基本財産を定めなければならないものではありません。基本財産を定めた場合、定款で定める方法により理事はこれを維持し、目的を妨げるような処分を行ってはならないとされています(法人法172条2項)。また、基本財産の滅失により法人の目的事業が不能となると、法人の解散原因となります(法人法202条1項3号)。

このように、基本財産は定めなければならないものではなく、定款に定めることにより、様々な制限もかかりますので、基本財産の要件と効果を見定めた上で、定款で基本財産を定める必要があります。基本財産を定めた場合、貸借対照表の資産の部において基本財産として計上します。

なお、新制度においては、社団の基本財産に関する規定はありません。現在の定款の定めは、移行後も引き続き効力を持つものと考えられます。この場合、貸借対照表には、資産の部の基本財産として計上します

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公益認定法上の「収益事業等」と法人税法上の「収益事業」 2

公益法人の行う事業の中で公益認定法上の「公益目的事業」と認められるものは,法人税法上の「収益事業」に該当しうるものであったとしても,該当しないものと取り扱うこととされています(法人税法施行令5条2項)。

これは税の観点から公益法人の行う「公益目的事業」を応援するものといえます。

もっとも,公益目的事業と認められるためには,前提として公益目的事業としての申請が必要になってきます。すなわち,同じような「収益事業」を行っていても,それを公益目的事業として申請しそれが通ると非課税で,申請しなければ課税という状態が生じてきます。

「公益目的事業」は,主に「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する」ものかという視点で判断されており,法人税法上の「収益事業」に該当しているか,収益を上げているかとは直接の関係はございません。

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表彰選考の公正性 記載例と添付資料例

表彰事業を公益目的事業に入れて、事業比率をあげたいと思っていらっしゃる法人も多いかと存じます。そこで次のようなQ&Aを考えてみました。

Q チェックポイント(14)表彰,コンクール“②選考が公正に行われることになっているか。(例:個別選考に当たっての直接の利害関係者の排除)”はどのようにその該当性を説明し,どのような資料を添付すればよいでしょうか

A たとえば,“表彰の選考は,複数の候補者の中から抽選で選ばれる推薦人から,著作・論文の推薦を受け,その上で,論文・著作の作者の名前が分からないようにして,専門家が匿名の選考を行っています。”のように記入し,
 特定の組織の者のみを対象として表彰するなどの偏りがないことが分かるよう
選考規程
応募要綱
審査員名簿
過去の実績
などの資料を添付するのがよいでしょう。

ご参考になれば幸いです。

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移行認定における寄附金規程の意義

今回は,移行認定との関係で,寄附金規程について取り上げてみたいと思います。

1 移行認定申請書の添付書類として
  まず,内閣府作成の「申請の手引き移行認定編」によると,寄附の使途の特定の内容がわかる書類(寄附金規程がそれに該当する場合もあると考えられます。)は,公益目的事業以外に使途を特定した寄附がある場合に,移行認定申請書の添付書類となっています。
  このように,公益目的事業以外に使途を特定した寄附がある場合にのみ,移行認定申請書の添付書類となるのは,以下の理由によるものと考えられます。
  受取寄附金は,正味財産増減計算書上に経常収益の一項目として計上されるところ,公益目的事業会計に当該受取寄附金が計上される場合には,収支相償の規制を受けます。一方,収益事業等会計や法人会計に計上される場合には,このような規制を受けないこととなるため,規制を受けないことを説明する根拠として,書類を申請書に添付することが必要になるものと考えられます。

2 遊休財産額規制
  また,遊休財産額の規制において,使途の定まった寄附金を控除対象財産とするためには,一定の事項を記載した寄附金規程を備え置いたうえで,閲覧に供する必要があります(認定法規則第22条第5項)。

3 まとめ
  このように,寄附金規程は,移行認定にあたっての,収支相償や遊休財産規制の判定にあたって,非常に重要であるといえます。また,寄附してもらう財産の使途等を明確にし,さらにそれを備え置き国民の閲覧に供することで,寄附をより募りやすくなるという面も考えられます。

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特定寄付ってなーに?

公益法人が公益目的事業のために保有している財産は,

公益目的事業のためのものとされるので,認定取り消しや

合併により法人が消滅する場合には,原則として

その公益目的取得財産残額相当額を認定法5条17号所定の

法人等に贈与する旨を定款で定めている必要があります。


  ここで,公益目的事業のために保有している財産については

認定法施行規則26条3号・6号・7号,

認定法18条5号から7号に,

公益目的取得財産残額相当額については

認定法30条2項にそれぞれ定めがあります。
 

多数の条文が出てきて複雑なところなので,

それぞれの額の算出をする際には注意が必要です。

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遊休財産について

 遊休財産とは簡単に言うならば,公益目的事業や収益事業等の活動に使用することが具体的に定まっていない財産をいいます(認定法5条9号,同法16条,同法規則22条)。
 遊休財産には保有について限界が定められていますが,財産が控除対象財産(同法規則22条3項)に該当する場合には,遊休財産額からその分を控除することができ,これは預金などの流動資産であっても同様です。
 そこで,預金など目的なく保有している財産がある場合にこれを遊休財産としたくない場合には,特例民法法人から公益法人へ移行するにあたって,新たに認定法規則22条3項各号に沿った保有の目的を設定し直す必要があります。

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公益目的事業比率‐みなし賃借料を利用する場合の留意点

公益認定を受けるためには,公益目的事業比率(認定法15条)が100分の50以上でなければなりません(認定法5条8号)。

そして,認定法15条を計算式で表わすと以下のとおりとなります。

公益実施費用額÷(公益実施費用額+収益等実施費用額+管理運営費用額)≧0.5

公益実施費用額に比べて相対的に収益等実施費用額や管理運営費用額が多いと,この基準を満たすことが難しくなります。

ところで,自己所有の土地を使用している場合には,当該土地を他人から賃借したと仮定したみなし賃借料を公益目的事業比率算定の際に考慮することが認められています(認定規則16条参照)。

もっとも,かかる自己所有土地を公益目的事業のみならず,収益事業や管理運営に係る業務においても使用している場合には,みなし賃借料を適正な基準により配賦する必要がありますので,留意が必要です。

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収支予算書について―法人法及び認定法上の取扱い

 法人法上,一般社団法人及び一般財団法人は計算書類を作成することを義務付けられています(法人法123条2項,199条)。当該計算書類は貸借対照表及び損益計算書からなると定義されており,収支予算書は含まれていません。
 一方,認定法上は,公益法人は収支予算書の作成及び保存が義務付けられています(認定法21条1項)。そして,この収支予算書は,従来の収支計算ベースではなく,損益計算ベースでかつ事業別に区分された収支予算数値が記載されている必要があります(認定法施行規則30条)。
 このように法人法上,計算書類に含まれていない収支予算書の作成が認定法上義務付けられているのはなぜでしょうか。
 計算書類は,ガバナンスの一環である監事や会計監査人の監査対象となるところ(法人法124条1項2項),事業年度における説明責任を果たす観点からは見込額ではなく実績値を監査対象とすることが適切であると考えられます。一方,認定法上収支予算書の作成が要求されているのは,国民の公益法人に対する理解を深めるとともに(認定法21条4項参照),行政庁の公益認定(認定法7条)及び監督(認定法第2章第3節参照)に資するために見込額による収支予算書が有用であるからと考えられます。

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